ソニーからEマウント用の大口径広角ズーム「FE 12-24mm F2.8 GM」の発売が発表されました。
建築写真や風景写真はもちろんのこと、明るさが必要な星夜写真ファン待望のレンズと言えそうです。
先行発売中のSEL1224Gとのスペック比較や、シグマ14-24mm F2.8 DG DN Artとの違いを比較しました。
追記
ソニーストアの価格が380,920円(税別)に決定しました。2020年7月14日現在、今すぐソニーストアで予約すれば8月7日ごろにお届けされるようです!
SEL1224GMの概要
ソニーは、2020年7月8日、同社webサイトにてEマウント用の大口径広角ズーム「FE 12-24mm F2.8 GM」を正式に発表しました。価格は380,920円(税別)。2020年8月7日より発売される予定で、2020年7月14日・午前10時からソニーストアで予約受付を開始する。
スペック比較
▼ 主要スペックを比較
引用:ソニー https://www.sony.jp
FE 12-24mm F2.8 GMがポテンシャルを発揮するのは、建築写真・風景写真・星夜写真だと想定できます。絞り開放から収差の少ない品質を周辺部まで得られるというのは見逃せないですね。レンズマウント部にフィルターを設置できるので、NDフィルターを使った昼間の長時間露光や動画撮影時の緻密なシャッタースピード管理に役立ちます。
SEL1224Gの魅力は機動力。広角レンズでパンフォーカス的な写真を多用する人には、F4.0の開放絞りも気にならないはず。また、ジンバルに搭載して躍動感ある動画を撮影するなら軽量な点で有利です。
F2.8を多用する? 開放から収差の少ない写真が必要か? これらの点を考慮すれば、どちらのレンズが本当に必要か自ずと決まってくるはずです。
SEL1224GM | SEL1224G | |
名称 | FE 12-24mm F2.8 GM | FE 12-24 mm F4 |
焦点距離 | 12-24mm | 12-24mm |
レンズ構成 | 18群36枚 | 13群17枚 |
開放絞り / 最小絞り / 絞り羽根 | F2.8 / F22.0 / 9枚(円形) | F4.0 / F22.0 / 7枚(円形) |
最短撮影距離 / 最大撮影倍率 | 0.28m / 0.14倍 | 0.28m / 0.14倍 |
フィルター径 | 装着不可(後部装着可) | 装着不可 |
手ブレ補正 | ボディ側対応 | ボディ側対応 |
フードタイプ | 花形固定式 | 花形固定式 |
外形寸法 最大径x長さ | 97.6 x 137mm | 87 x 117.4mm |
質量 | 847g | 565g |
価格(スニーストア) | 380,920円(税別) ソニーストア価格未発表 |
199,630円(税別) |
▼ 高性能レンズ
SEL1224GMレンズ構成図 引用:ソニー https://www.sony.jp
レンズ | |
SEL1224GM | ED(特殊低分散)ガラス2枚、スーパーEDガラス3枚、 XA超高度非球面レンズ3枚、非球面レンズ1枚 |
SEL1224G | ED(特殊低分散)ガラス3枚、スーパーEDガラス1枚、非球面レンズ3枚 |
高性能レンズは、1224GMが合計9枚、1224Gは合計7枚を使用。非球面レンズは、収差が抑えられる反面、年輪ボケ(タマネギ)の要因になります。
1224GMは、非球面レンズ4枚中3枚がXA超高度非球面レンズを使用するため、なめらかなボケが得られます。
▼ コーティング
SEL1224GM | ナノARコーティング II+フッ素コーティング(前玉) |
SEL1224G | ナノARコーティング |
1224Gは、ナノARコーティングを採用するのに対して、1224GMはナノARコーティング IIを採用。逆光耐性が向上します。
▼ モーター
SEL1224GMモーター構成図 引用:ソニー https://www.sony.jp
SEL1224GM | 4モーター XDリニアモーター |
SEL1224G | 1モーター ダイレクトドライブSSM(DDSSM) |
フォーカス方式は、1224G・1224GMともにインナーフォーカスを採用。フォーカスにより全長は変化しません。
1224GはダイレクトドライブSSM(DDSSM)1つで作動するのに対して、1224GMは4つのXDリニアモーターで作動。
▼ 絞り羽根
SEL1224GM絞り機構 引用:ソニー https://www.sony.jp
SEL1224GM | 9枚 |
SEL1224G | 7枚 |
1224Gは絞り羽根が7枚に対して、1224GMは絞り羽根が9枚。絞り込んでも丸い玉ボケが得られます。
▼ フィルター
SEL1224GMフィルター 引用:ソニー https://www.sony.jp
前 | 後 | |
SEL1224GM | 装着不可 | フィルターホルダーあり |
SEL1224G | 装着不可 | 装着不可 |
前玉へのフィルター装着は、1224G・1224GMともに不可能。
ただし、1224GMは後方にフィルターホルダーが設置され、シートタイプのNDフィルターや色補正フィルターなどを取り付け可能。
気になる点
海外webサイトに、1224GMのサンプル写真が公開されてました。開放からとてもシャープな印象でした。
しかし、すこしだけ気になった写真(トリミング)を添付します。
葉っぱの隙間から漏れる光がリングの形をしています。
僕はこのようなSPLな広角レンズを所有したことがありませんので意見を言える立場ではありませんが、すこしだけ気になったのでシェアしようと思います。
対抗レンズはシグマか?
▼ 14-24mm F2.8 DG DN Art
引用:シグマ https://www.sigma-photo.co.jp
実質的な対抗レンズは、社外のシグマ14-24mm F2.8 DG DN Artでしょう。
▼ シグマ14-24mm F2.8 DG DN Artの特徴
- 開放絞り値F2.8
- 高性能ガラスを惜しまず投入
- 高性能コーティングを採用
- 11枚絞り羽根
- 防塵防滴設計
- AFLボタンを配置
- ステッピングモーターの採用
- リヤ側フィルター装着可能
純正至上主義でなければ多くの人が及第点に収まるはず
FE 12-24mm F2.8 GMの価格は380,920円です。正直な感想はクソ高い!
14-24mm F2.8 DG DN Artは、価格.com最安値が145,000円前後。特段のこだわりがなければ、シグマで満足できる人が多いはずです!
14-24mm F2.8 DG DN Artは「ミラーレス専用」に開発されたものです。FLDガラス1枚、SLDガラス5枚の採用により画面周辺に至るまで色収差を抑制。さらに、3枚の非球面レンズを採用し効果的にコマ収差などを抑え、圧倒的な解像感を実現。ナノポーラスコーティングにより逆光耐性が高められています。
フィルター対応についても、リヤ側にフィルターホルダーを装備しているので、シートタイプのフィルターが装着可能です。
防塵防滴、AFLボタン、レンズ最前面に撥水・防汚コートを施すなど、SEL1224GM同等の性能を備えています。
劣る点といえば、ステッピングモーターの採用にりAF駆動の高速化と静音性を両立していますが、4モーターを採用する1224GMに劣る可能性があります。ただし、望遠レンズのように致命傷になることはないと思います。
シグマ・アートレンズでネックの重量も795gと控えめで、FE 12-24mm F2.8 GMより軽量です。
シグマの方が優位な点もあります。
絞りバネは、1224GMの9枚の対して、14-24mm F2.8 DG DN Artは11枚。絞った状態でも丸い玉ボケが得られやすくなります。
14-24mm F2.8 DG DN Art(Eマウント用)の価格は、価格.com最安値が145,000円前後(2020年7月8日現在)。シグマのレンズは買取価格が安くなる傾向なので、実用性とコストを最優先するなら「中古(128,000円のタマあり」を購入するのが得策」かも。
まとめ
レンズを資産として考えるならソニー純正のSEL1224GMが勝ります。
コストを最優先するなら14-24mm F2.8 DG DN Artの中古が狙い目!
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