2020年5月にエプソンから高性能インクジェツトプリンター「SC-PX1V」が発売されます。同じ顔料インクを使用するライバル機種のキヤノン「PIXUS PRO-10S」とスペックや口コミを検証。発売前のこの時期に、妄想を膨らましてみました。
製品購入前の注意
SC-PX1Vは、セットアップでインクを使い果たします。インクと排インクタンクを購入する予定があります。性能は良いようですが、ランニングコストが凄まじい模様。
僕の邪算だと、本体・インクセット・廃インクタンクタンクの総額ベースでランニングコストを計算すると、L版1500枚印刷時の単価は80円ぐらいになります。
その点を納得されてから購入することをお勧めします。
SC-PX1V | PIXUS PRO-10S | |
プリントヘッド | 5,760×1,440dpi | 4800×2400dpi |
インク | 顔料 9色(インクは10色必要) | 顔料 10色 |
用紙サイズ | A6縦~A3ノビ縦 L判、KG、2L判、ハイビジョン、六切、四切、 郵便はがき、郵便往復はがき |
A3ノビ~A5 L判、2L判、六切、四切、半切、KGサイズ 郵便はがき、郵便往復はがき |
給紙方式 | 背面トレイ | 後トレイ、手差しトレイ |
給紙可能枚数 | 普通紙(背面トレイ)120枚 郵便はがき(背面トレイ)50枚 |
普通紙(後トレイ)150枚 郵便はがき(後トレイ)40枚 |
BD/DVD/CDプリト | 12cmメディア対応 | 12cmメディア対応 |
インターフェース | 10BASE-T/100BASE-TX IEEE802.11b/g/n/a/ac (Wi-Fi 5) USB |
100BASE-TX/10BASE-T IEEE802.11n/g/b USB |
印刷スピード | L判写真用紙<光沢>:約44秒 A3ノビ写真用紙<光沢>:約3分17秒 |
L判フチなし写真(カラー):約1分30秒 A3ノビフチあり写真(カラー):約5分20秒 |
印刷コスト | 未発表
追記:L判フチなし写真:約18.9円 |
L判フチなし写真 光沢ゴールド:約22.7円 光沢プロプラチナグレード:約 32.1 円 A3ノビフチあり写真 光沢 プロ[プラチナグレード]:約338.2円 |
対応インクタンク | ICBK97/MB/C/VM/Y/LC/VLM/GY/LGY/DBL 実勢価格:2,300円前後×10本 |
PGI-73C/M/Y/PC/PM/R/MBK/PBK/GY/CO 実勢価格:950円前後×10本 |
外形寸法 | 515×368×185(mm) | 約689×385×215(mm) |
重量 | 約12.6kg | 約20.0kg |
発売時期 | 2020年5月 | 2015年2月 |
実勢価格 | 89,073円(価格.com 2020年5月時点) | 55,000円(米系最大手通販価格) |
SC-PX1Vは後発機種とあって圧倒的にコンパクトです。対するPIXUS PRO-10Sは、発売から5年以上が経過しており格安なコストで導入できます。
インクについては両モデルとも顔料インクを採用しますが、容量が大きく異なります。SC-PX1Vは普及機よりも大容量ですが、全色交換コストが23,000円前後掛かります。PIXUS PRO-10Sは少容量なので全色交換コストは10,000円前後で済みますが、頻繁に交換する必要があります。
印刷コストは、SC-PX1Vが発売前商品のため公開されてません。公開されたら再検証します。
追記
SC-PX1Vの印刷コストが公開されました。全モデルと同じ18.9円(L判フチなし)です。
PIXUS PRO-10Sの気になる点を考察
PIXUS PRO-10Sは、発売されて5年が経過しました。通常ならばモデルチェンジの時期ですが、上位機種のPIXUS PRO-1は後継機が発売されぬまま消滅しました。
また、PIXUSはMAC用プリンタードライバーの供給を停止しました。MACユーザーがキヤノン製プリンタで高品位出力できる機種はPIXUS PRO-10SとPIXUS PRO-100Sだけです。モデルチェンジせずに細々と売り続けるか、廃盤になるのか微妙な状態ですね。
PIXUS PRO-10Sのプリント代
PIXUS PRO-10Sのプリントコストは、L判フチなし写真の場合、光沢ゴールド用紙で約22.7円、光沢プロプラチナグレードで約32.1円 と公開されています。
銀塩プリントの最高峰「FUJIFILMフロンティア」のL版実勢価格が30〜40円であることを考慮すると割高ですね。
A3ノビフチあり写真光沢プロプラチナグレードの印刷コストは約338.2円。フロンティアの価格が1500円前後なので、こちらは割安ですね。
PIXUS PRO-10Sは故障しやすい?
PIXUS PRO-10Sをネット検索すると「PRO-10S 故障」のキーワードが目につきます。インク詰まりのトラブルが多く、修理に2万円近くの費用がかかるそうです。
筆者の個人的な印象は「キヤノンの染料インクプリンタはインクの詰まらない神プリンタ」ですが、顔料インク機はとにかく詰まるようです。
PIXUS PRO-10Sはインクが減るのが早い?
PIXUS PRO-10Sは、A3ノビサイズが出力できる民生用プリンタとしては大型ですが、インクカートリッジ容量はとても小さい印象です。実際にカートリッジ単価が1色あたり900円ぐらいと安価なので容量が少ないことは容易に推測できます。
SC-PX1Vは1本あたり2300円ぐらいです。 PRO-10S用カートリッジ費用の2.5個分に相当しますが、捨ててしまうカートリッジ代金を2.5倍余分に支払っていると思うと心が(財布)が痛みます。
SC-PX1Vの気になる点を考察
SC-PX1Vは、発売前にWEB媒体などで紹介されていますが、ドライバーの開発が最終段階という理由で「プリント出力」は公開されていません。セッティングで困っているのか?と勘ぐってしまいます。そのため、購入時の指針になる「印刷コスト」が公開されていません。
高性能プリンタは、販売不台数が少なく全てのコストが割高な印象です。L版コストは20円を切ってもらいたいのですが、水商売の業界だけに気になりますね。
SC-PX1Vはカラーマッチングが安定しない?
SC-PX1Vの情報を検索すると、旧モデルのSC-PX5VIIの色の精度が安定しない趣旨の書き込みを見かけました。最小インク量が1.5plまで制御できるなら色の精度が高くなりそうですが、どうなのでしょうか?
ツヤ消し印刷しない場合マットブラックインクは固着しない?
エプソンは光沢印刷とつや消し印刷でフォトブラックとマットブラックを使い分けています。SC-PX5VIIは、大半のユーザーは光沢出力を利用することを想定してブラックインクは1系統のノズルで光沢とつや消しを使い分ける必要があります。フォトブラックからマットブラックに交換するとインクを大量に消費する「いただけな仕様」でした。
SC-PX1Vは、その辺りが改善され、フォトブラックとマットブラックに専用ヘッドが備わり、光沢とつや消しのプリントに対応できるようになりました。しかし、光沢のみを印刷する場合、マットブラックは使用しません。インクがつまらないか心配ですね。
まとめ
ネットを検索すると、PIXUS PRO-10Sのインプレッションや口コミが芳しくありません。これから新規購するならSC-PX1Vがベターでしょう。
SC-PX1Vの販売価格は8万円後半スタートです。8万円という価格は、富士銀塩プリントのフリンティアL版が2200枚、2L版が800枚に相当します。SC-PX1Vでプリントするには別途用紙代が必要になので、さらにプリントできることになります。
SC-PX1V欲しいっと思いましたが、冷静になると微妙ですね。
最後までお読みいただきありがとうございます
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