顔料プリンタやインク別体型プリンタの多くは「初期セットアップに大量のインクを消費する」と言われています。ユーザー心理としては「印刷でインクを消費するのは仕方ないけど、メンテナンスタンクに消費されるインクは少ない方が良い!」と思いますよね。というわけで、今回CANON imagePROGRAF PRO-1000を購入したので、気になる初期セットアップ時のインク消費量を検証しました。
imagePROGRAF PRO-1000購入
キヤノンimagePROGRAFは、業務用インクジットプリンタに分類されるブランド名称です。私が購入したimagePROGRAF PRO-1000は、同ブランドのローエンドモデルに該当するモデルです。
上位モデルは「PRO-2100、PRO-4100」といった具合に新製品が販売されていますが、2022年2月現在、PRO-1000は継続販売中です。
購入価格は8万円台。発売(2016年2月25日)から月日が経過しており、モデル末期価格(I?)かもしれませんね。
シリアル番号は400番台。本体ファームウェアは最新のVer.3.020がインストールされていたので長期在庫品でもなさそう。業務用機なので販売台数は少ないようです。
PRO-1000の本体サイズはこんな感じ。上に積んだプリンタは、A4複合機のMG7130です。デカイです。
セットアップ用12色インク
CANON imagePROGRAF PRO-1000は、12色の顔料インクを使用します。業務機としてはローエンドモデルになりますが、民生用プリンタと比較するとインクカートリッジは大きいですね。MG7130用インクと比較しました。でかいですよね。
●付属インクカートリッジの重量(インク充填時)
PM = 115g インク容量=83g |
R = 117g インク容量=85g |
C = 115g インク容量=83g |
PGY = 117g インク容量=85g |
MBK = 119g インク容量=87g |
PBK = 116g インク容量=84g |
B = 115g インク容量=83g |
CO = 115g インク容量=83g |
GY = 116g インク容量=84g |
Y = 116g インク容量=84g |
M = 118g インク容量=86g |
PC = 115g インク容量=83g |
海外ネット情報によると、インクカートリッジからインクを除いたケース単体重量は32g。残量表示が「0」になってもカートリッジ内に1〜2ccのインクが残るとのこと。
これらの情報から、キット付属の初期インクは、1本あたり81〜86cc使用できる状態にあり、交換用インクと同容量のインク(メーカー公称値80cc)が付属されていると推測できます。インク12色の総量は「約960cc」になります。
●メンテナンスカートリッジ MC-20の重量(空の状態)
未使用時の重量 = 275g |
メンテナンスカートリッジは、けっこう大きなサイズです。この容器の大量のインクがノズル洗浄時に廃棄されると思うと複雑な気持ちになります。
初期セットアップ後のインク量
CANON iPF PRO-1000は、初期セットアップで大量のインクを消費すると言われています。また「インクカートリッジ内〜ノズル間」にインク攪拌用のサブタンクが内蔵されているようです。
セットアップ後のインクカートリッジ残量とメンテナンスカートリッジ内に廃棄されたインク量を算出することにしました。
●セットアップ後のインクカートリッジ重量
PM = 77g インク消費=38g インク残量=45g |
R = 79g インク消費=38g インク残量=47g |
C = 78g インク消費=37g インク残量=46g |
PGY = 79g インク消費=38g インク残量=47g |
MBK = 80g インク消費=39g インク残量=48g |
PBK = 76g インク消費=40g インク残量=44g |
B = 78g インク消費=37g インク残量=46g |
CO = 76g インク消費=39g インク残量=44g |
GY = 77g インク消費=39g インク残量=45g |
Y = 80g インク消費=36g インク残量=48g |
M = 80g インク消費=38g インク残量=48g |
PC = 78g インク消費=37g インク残量=46g |
初期セットアップ後のインクカートリッジ重量(インク+ケース)は、1本あたり76g〜80gへ減少。1本あたり36g〜40gのインクがカートリージからプリンタ本体に移動したことになります。12本分を合算すると456gがプリンタ本体に移動しました。
気になるインク残量は? インクカートリッ内に約半分(実測値)が残っていました。12色合計の残量は554gになります。約半分のインクが初期インクとし印刷に使えることになります。
●セットアップ後のメンテナンスカートリッジ重量
初期セットアップ後の重量 = 388g (初期インク充填廃棄分 = 113g) |
初期セットアップでは、チューブやサブタンク内をインクで満たし、インク経路から空気を排出する作業を行います。
この作業で、約113cc(12色合計)のインクが廃棄されました。
●サブインクタンク量量
初期セットアップで456gのインクが本体に移動。メンテナンスカートリッジに廃棄されたインクは113gなので、本体内(チューブやサブタンク)にインク343gが充填されていることになります。
サブタンク内でインクを攪拌して、ノズルから噴射される仕組みです。
サブタンク内に移動したインクは、インクカートリッジ内のインク残量が0になったら動作が停止するため、全て使い果たすことができません。廃棄されたインクは113ccですが、実質的に約半分は使えないので「半分消費した」とも言えそうです。
●残量表示
▲初期セットアップ完了時のインク残量表示(プリンタ本体)。半分以下(残り40%ぐらい)まで減少しました。
▲プリンタドライバ側のインク残量表示。メンテナンスカートリッジも残り40%ぐらいに低下しました。
まとめ
実際のインク廃棄は113gと少なかったですが、構造的に使えなくなるインク充填分を合算すると、初期セットアップで半分のインクが使えなくなります。
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