α7iiiの基本|「色空間」の選び方

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初心者向け

α7iiiの色空間はデフォルトでsRGBが設定されています。別途Adobe RGBを選択できますが違いはなに?

「sRGB」と「Adobe RGB」はどちらも色空間を定める規格ですが、仕様の違いや使用目的をわかりやすく解説します。

色空間の「sRGB」は実質的な業界標準規格です!

α7iiiは、色空間の設定で「sRGB」と「Adobe RGB」が選択できます。

sRGBとは
sRGBは、IEC(国際電気標準会議)が制定した標準規格です。デジタルカメラやPCディスプレイの標準規格として普及しており、互換性が高い特徴があります。
Adobe RGBとは
Adobe RGBは、Adobe(アドビシステムズ)が制定した色空間です。sRGBより鮮やかな彩度が表現できる色空間ですが、正確に出力するためには互換性が必要です。条件を満たしていないと逆に色味が悪くなるため扱いの難しい設定になります。

設定場所

MENU ▶︎ 撮影設定1 ▶︎ 画質/画像サイズ2 【2/14】▶︎ 色空間
「sRGB」と「Adobe RGB」の違いを次項でわかりやすく紹介します。

sRGBはパソコンや映像関連の標準仕様

「sRGB」は業界のスタンダードで完璧な互換性が確立されています。あらゆるパソコンや印刷機で対応できる形式です。
色を表現できる範囲を「色域」と言いますが、sRGBは100点満点の80点ぐらいの性能です。性能的は平凡ですが、安価なモニターやプリンターでも正確に表現する汎用性の高さがメリットになります。
「そこそこの性能」というのがミソで、ハードルが高くない分、あらゆるコンピュータ・ディスプレイ・プリンターで正確に表示したり印刷できるわけですね。

Adobe RGBはプロでも扱いが難しい

「Adobe RGB」は、フォトショップやイラストレーターなどのグラフィックソフトの開発元である一企業(アドビシステムズ)が独自制定した規格です。
「sRGB」よりも鮮やかな彩度を表現できる色域を実現し、鮮やかな色を表現できます。性能だけを比較すると「Adobe RGB」は「sRGB」より優れています。
ところが、「Adobe RGB」は高性能が故、対応機器が限定されます。ソフトウエアについても「Adobe RGB」に対応している必要があり、万が一非対応だとカラーバランスが崩れます。
創世記、プロの間で「Adobe RGB」で撮影することがトレンドになりましたが、そもそも「Adobe RGB」の色域は商業印刷で表現できない色を含みます。正確な色が再現できないトラブルが多発し、現在はプロの現場でも「sRGB」撮影(入稿)が主流になっています。
「Adobe RGB」は、対応機器が揃った環境下で性能を発揮できる特別な仕様であり、取り扱いが難しいため避けられる傾向にあります。

写真をブログやプリントで使うなら「sRGB」が無難

α7iiiで撮影した写真の使い道は、おもに「写真プリント・ブログなどのWEB掲載・年賀状」ですよね。
写真屋さんでフジカラーの写真プリントを依頼する場合、フジカラーの業務用プリンター(フロンティア)は「sRGB」のみ対応しています。「Adobe RGBは正確な色が出力できない可能性がある」と注意喚起されています。
また、Adobe RGBで撮影した写真をブログなどに掲載すると色が正確に表示されません。年賀状のプリントも同様です。
そもそも業務用の印刷機の大半がAdobe RGBの色が正確に印刷できない現実があるんですよね〜。
そもそも「sRGB」の色が悪いかといえば答えはNO。規格的には80点の性能でも性能をフルに引き出してやれば80点が得られます。「Adobe RGB」は規格的に95点の性能を備えていても、関連機器が対応していなければ60点まで低下する可能性を秘めています。
失敗を嫌うプロは、確実に80点の品質が得られるsRGBを選択する傾向にあります。
逆に環境が整ったハイアマチュアの方は、「Adobe RGB」で100点を狙いにいくのも楽しみ方の一つかも知れませんね。
一般的には、α7iiiの色空間は「sRGB」の一択で良いと思います。
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まとめ

「Adobe RGB」は高性能ですが、20年近くたっても環境が整いませんね。ここ数年で急激に普及することはないと思われます。

プロでも扱いが難しい「Adobe RGB」を、一般ユーザーが正しく運用できるとは思えません。ミスして当たり前の状況だけに「sRGB」を使いましょう。

写真に詳しい人が「え〜sRGBなんて使っているの?」と指摘されても無視するのが吉です。

最後までお読みいただきありがとうござます

この記事を書いた人
ちゃんまさ

雑誌編集部勤務を経て、個人制作会社を設立。30年以上にわたり雑誌取材、企業の企画執筆・写真撮影・TV番組の撮影などに従事。業務で得た経験や知見をもとに、カメラ・写真レタッチ・動画編集・商品レビューなどの情報を発信します。

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