脚立を活用してクリアな視界を確保する【初心者向け☆ひこ〜き写真の教室8】

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初心者向け

飛行場撮影時に気になる存在といえば「敷地外周にある柵」ですよね。空港外周は柵で仕切られており、ドゲトゲの鉄線が巻かれていることもあります。そのようなロケーションで地上を転がる飛行機を撮影する時、絶大な効果を発揮するのが脚立です。というわけで「ひこ〜きカメラマン的脚立選び」を紹介します。

/////  8回目の講習で習得したいこと /////
●脚立を使ってクリアな視界を確保する!

「ひこ〜き写真の教室」、8回目の講習を始めます!

脚立の種類

ひとことで脚立といっても様々な製品があります。

俯瞰撮影するときに手軽に利用できる樹脂製の踏み台を、すでにお持ちの方も多いのではないでしょうか? とても便利なアイテムなので私も愛用中のひとりですが、ひこ〜き写真の撮影で使用するには高さが足りません。

天板の上で作業することを目的とする足場台は、天板がワイドなので抜群の安定性を期待できますが、これまた高さが足りません。

ひこ〜き写真界隈には「脚立沼」が存在するといわれるほど、製品選びに苦労します。

というわけで、ひこ〜き写真には「脚立」が欠かせません。

踏み台

ホームセンターで1000円程度で購入できる踏み台。プロのレースカメラマン界隈では必須アイテム(FSWなど)になっています。

折りたたむことで本体をコンパクトに収納、運搬できることが最大の魅力。

脚立

建築現場、室内クロス貼り、電気工事、造園作業に用いられる脚立。安価な家庭用から建築現場の酷使に耐えられる業務用まであります。

足場台

自動車整備や洗車などに用いられるものが足場台。基本的に、天板上で作業することが想定されています。

脚立の高さ

脚立の高さは一般的に段数で表示されます。

ひこ〜き撮影で人気の高さは、3段から5段が選ばれる傾向です。

カメラマンの場合、脚立の上で超望遠レンズを片手で握って使用するわけですから安定性は最悪です。正直なところ、5段でも怖いぐらいです。

6段以上の脚立は素人が気軽に手を出すべき高さではありません。

ひこ〜き撮影向きの脚立選び

高さ

空港の柵は、ベース部分(下段)の金網にプラス、上段に横方向の鉄線が張られていることが多いと思います。下段の金網越しの撮影は写真のコントラストが低下するので避けたいですが、上段の鉄線はフレームに入ってもさほど気になりません。この隙間から狙うのが、ベストだと思います。高さの目安は「3段〜5段」に落ち着きそうですが、天板に立つか2段目に立つかでもかわってきます。

問題は上の写真のように「上端に横方向の鉄線+螺旋状の鉄線」が張りめぐされているケース。この場合、脚立の高さは「5段以上」または「脚部伸縮式の4段以上」が欲しくなります。

自動車への搭載

仕事で脚立を使う建築・電気・内装関係の人は、ハイエースのようなワンボックスやライトバンでもキャリアを常設した車を使い、長尺な脚立でも収納できる体制が整えられています。

趣味で航空写真の撮影を楽しむ人は、おおよそ一般人です。

ハイエースを所有する人は皆無に等しく、脚立は自家用車に搭載することになります。そのため、長尺の脚立を購入したところで「愛車に搭載できない」という事態に陥ります。

ボディ形状がワンボックスやステージョンワゴンなら長尺脚立も搭載できますが、4ドアセダン車の場合は選択範囲が極端に限定されます。

プロカメラマンの多くが、ワンボックスやステージョンワゴンを選ぶ理由は、このような理由があります。

不整地・傾斜地への対応(最重要!)

空港周辺の柵周辺は、地面が「土」の場合がほとんど。足元が軟弱かつ凹凸のある地面に脚立を立てることになります。実際に運用すると安定しないはずです。

そのような脚立に立ち、カメラを持って撮影することは恐怖以外にありません。

脚立から落下して、肉離れや捻挫、肋骨を骨折した人を知っています。「たかが1mの高さでしょ!」と油断すると相当痛い目に遭います。

脚部伸縮式が大本命

ひこ〜き写真の撮影でオススメする脚立は、ズバリ「脚部伸縮式」です。価格は割高傾向になりますが、脚立沼にハマって買い直すぐらいなら、最初から脚部伸縮式を買ったほうが断然お得です。

写真の脚立は4段で脚部が45cm伸びるタイプ(通常脚立の5段に相当)です。

脚部伸縮式のメリット1

脚立脚部が伸縮式のため、凹凸のある地面でも長さ調整して、安定した状態に設置できるメリットがあります。足元が傾斜地でも、脚部の長さを調整することで天板の水平を保つことができます。

●地面に凹凸があっても設置できる!

●4脚独立伸縮式なら脚立の方向を自在に設置できる!

●傾斜のついた場所でも設置できる!

脚部伸縮式のメリット2

脚立脚部が伸縮式のため、脚部を収納すれば全長が短くなります。「脚立の小型化=車載が楽」になるため、実質的に1段大きな脚立を車に搭載できます。

脚部伸縮式のラインナップ

ホームセンターで安価に販売されているものから、職人工具系ショップで扱う業務用までピンからキリまであります。

私が個人的にオススメする脚立ブランドは、専業メーカー「Hasegawa」の製品群。さまざまな用途、異なる形状の製品がラインナップされているので、最適な製品をチョイスできます。

ひこ〜き撮影向きの「脚部伸縮式脚立」は下記4アイテムになります。私が愛用中の脚立は、RZS脚軽伸縮タイプの4段です。軽さと車両サイズを考慮して購入しました。

しかし、脚立沼にはまり、現在は収納時の寸法がRZS脚軽伸縮タイプ4段と同じで高さが+24cm稼げるRYXシリーズ(RYX-12b)の購入を検討中です。

Hasegawaの「脚立」

●RZS脚軽伸縮タイプ 脚部伸縮式で軽さを重視するならコレ

段数 天板高さ 使用最大高さ
(2段目の高さ)
伸縮量 重量
RZS-09a 3段 0.73〜0.94m 0.43〜0.63m 21cm 4.7kg
RZS-12a 4段 1.03〜1.23m 0.72〜0.93m 21cm 5.6kg
RZS-15a 5段 1.32〜1.53m 1.02〜1.23m 21cm 6.5kg
RZS-18a 6段 1.62〜1.83m 1.32〜1.53m 21cm 7.5kg

脚部伸縮式で最軽量がウリ。ワンタッチレバー付きで開け閉めがスムーズに行えます。

デメリットは、価格が割高なこと。細かな点では、2段目を跨いで立った時、天板とふくらはぎが干渉して痛いこと。デメリットがありますが概ね満足しています。脚部伸縮量は最大21cm。

Hasegawaの「はしご兼用脚立」

●RYXシリーズ 性能重視なら45cm高さが伸びるコレ

段数 天板高さ 使用最大高さ
(2段目の高さ)
伸縮量 重量
RYX-12b 4段 1.02〜1.47 0.71〜1.16 45cm 7.8kg
RYX-15b 5段 1.31〜1.76 1.01〜1.46 45cm 9kg
RYX-18b 6段 1.61〜2.06 1.31〜1.76 45cm 10.1kg

脚立&はしごが兼用できる点が魅力。脚部伸縮量が最大45cmあり、収納時より1段分高く運用できるところが魅力です。

デメリットは、脚部を最大まで伸ばした時、1段目の踏み台が2段目相当の高さになり、乗り降りしづらくなること。コンパクトな踏み台セットで運用したいレベルです。価格が高価で在庫している店やネット通販で販売しているお店が少ないこと。

●RYZシリーズ 価格重視で選ぶならコレ

段数 天板高さ 使用最大高さ
(2段目の高さ)
伸縮量 重量
RYZ-09b 3段 0.72〜1.03m 0.42〜0.73m 31cm 5.8kg
RYZ-12b 4段 1.02〜1.33m 0.72〜1.03m 31cm 6.9kg
RYZ-15b 5段 1.31〜1.63m 1.01〜1.32m 31cm 8.1kg
RYZ-18b 6段 1.61〜1.92m 1.31〜1.62m 31cm 9.8kg

脚立&はしごが兼用できる点が魅力。脚部伸縮式でコンパクトに収納できます。価格も脚部伸縮式としては安価です。

デメリットは重いこと。脚部伸縮量は最大31cm。RYZシリーズ(45cm)よりも少ない。

●RYZBシリーズ ファッション性を重視するならコレ

段数 天板高さ 使用最大高さ
(2段目の高さ)
伸縮量 重量
RYZB-09 3段 0.72〜1.03m 0.42〜0.73m 31cm 6.0kg
RYZB-12 4段 1.02〜1.33m 0.72〜1.03m 31cm 7.1kg
RYZB-15 5段 1.31〜1.63m 1.01〜1.32m 31cm 8.3kg
RYZB-18 6段 1.61〜1.92m 1.31〜1.62m 31cm 10.0kg

上記RYZシリーズのブラックバージョン。脚部伸縮量は最大31cm。ワンタッチレバー付きで重量がわずかに増えています。

製品選びに迷ったら・・・

●軽さ重視するなら → RZS脚軽伸縮タイプ
理想は5段。車の搭載スペースが少ない場合は4段。

●柵の上部に螺旋状の有刺鉄線がある → RYXシリーズ
脚部伸縮量が最大45cmは超魅力的。理想は5段。車の搭載スペースが少ない場合は4段。

●価格重視するなら → RYZシリーズ
理想は5段。車の搭載スペースが少ない場合は4段。

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この記事を書いた人
ちゃんまさ

雑誌編集部勤務を経て、個人制作会社を設立。30年以上にわたり雑誌取材、企業の企画執筆・写真撮影・TV番組の撮影などに従事。業務で得た経験や知見をもとに、カメラ・写真レタッチ・動画編集・商品レビューなどの情報を発信します。

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