【α7R5の連写性能】独自テストでわかったリアルな連写速度と注意点

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カメラ

Text/Photo:ちゃんまさ

α7R5は、6100万画素が売りのミラーレス一眼だけに「画質優先」で購入している人も多いのではないでしょうか? 自ずと記録形式も「RAW」を選択する機会が多くなると思われますが、連写撮影すると記録モードの違いで連写速度が大きく異なり、違和感を感じる時があります。というわけで、記録形式と連続速度の関係を調査してみました。また、落とし穴も発見したのでシェアしようと思います。

結論から先に述べると
●JPEG・圧縮RAW設定時 = HI+で最速9.3コマ/秒前後
●非圧縮RAW・ロスレス圧縮RAW(L)など = HI+で最速6.3コマ/秒前後
※圧縮RAWは、連続撮影時に12bit記録になるので画質低下します。

α7R5 連写速度を独自検証

連写速度は、スマートフォンの画面にストップウォッチを表示し、α7R5でスマートフォン画面を連写撮影する方法で計測しました。

連写速度測定時の各種設定
レンズ FE24105mm F4.0 OSS
シャッタースピード 1/60秒
絞り F4.0
SDカード SDXC UHS-II V90128GB Kingston製

α7R5 ドライブモード別実測値

α7R5は、記録方式の違いにより連写速度が異なることは「肌感覚」で感じていましたが、実際にテストすると、連写速度の低下が確認できました。

HI+ HI MID
X.FINE 60M 9.07コマ/秒 7.50コマ/秒 5.95コマ/秒
圧縮RAW 9.30コマ/秒 7.71コマ/秒 6.00コマ/秒
圧縮RAW+X.FINE 60M 9.00コマ/秒 7.90コマ/秒 5.5コマ/秒
非圧縮RAW 6.27コマ/秒 5.82コマ/秒 4,95コマ/秒
非圧縮RAW+X.FINE 60M 6.37コマ/秒 5.62コマ/秒 5.05コマ/秒
ロスレスRAW(L) 6.43コマ/秒 5,77コマ/秒 4.75コマ/秒
ロスレスRAW(L)+X.FINE 60M 6.23コマ/秒 5.83コマ/秒 4.85コマ/秒
ロスレスRAW(M) 6.33コマ/秒 5.78コマ/秒 4.85コマ/秒

※撮影条件により連写速度は変化します。あくまでも1例と思っていただけると幸いです。

α7R5で最高連写できる設定

最高速度で連写したい時は、記録形式を「X.FINE 60M」「圧縮RAW」「圧縮RAW+X.FINE 60M」のいずれかを選択し、ドライブモード「HI+」に設定すると9.0コマ/秒前後で撮影できます。メーカー公称値は10コマ/秒ですが、細かいことは気にしないことにしましょう。ライブビュー表示したい時は「HI」に設定する必要があり、7.7コマ/秒前後が最高値になります。

「JPEGは避けたいけど圧縮RAWで撮影できるからいいじゃないの?」と思いがちですが、圧縮RAWの連続撮影には、大きな落とし穴が隠れているので次項で解説します。

圧縮RAWで連続撮影すると12bit記録になる

ソニーのホームページ(深い部分)に、RAWデータの記録条件が記載されてます。

引用:ソニー

メーカー公式に公開されている連続撮影時の詳細データです。非圧縮RAWやロスレス圧縮RAWは連続連写時に14bit記録できますが、圧縮RAWは12bit記録になります。

通常の撮影シーンでは違いがわかりづらいと思いますが、フォトレタッチで究極のシャープネスを追求すると「大きすぎる差」として現れます。

画質の違いは「解像度」に現れやすい

▲非圧縮14bitの等倍切り出し

▲圧縮12bitの等倍切り出し

2枚の比較写真は、RAWデータ(非圧縮14bitと圧縮12bit)の画質差を等倍表示したものです。高感度撮影した場合、写真上(非圧縮14bit)は、手すりの金網が解像していますが、写真下(圧縮12bit)は金網が解像していません。このような厳しい条件下で「解像度」の違いが現れます。

ファイルサイズを比較 ※メカシャッター

1枚撮影時 連続撮影時
圧縮RAW 68.493MB(14bit) 68.411MB(12bit)
非圧縮RAW 129.638MB(14bit) 129.658MB(14bit)
ロスレスRAW(L) 79.323MB(14bit) 79.715MB(14bit)

圧縮RAW14bitと圧縮RAW12bitの違いを「ファイルサイズ」で検証しました。非圧縮RAWとロスレスRAW(L)は、連続撮影時のファイルがわずかに大きくなりますが、圧縮RAWは、連続撮影(12bit)時のファイルの方がわずかに小さくなりました。

画質優先なら14bit記録で連写速度は諦める

α7R5のRAWデータを14bit記録する件は「非圧縮RAW」または「ロスレスRAW」を選択時になります。この条件でドライブモード最速の「HI+」に設定すると6.3コマ/秒前後、ライブビュー表示できる「HI」は、5.8コマ/秒前後まで一気に低下します。動き物を撮影するシーンでは、正直シンドイですが、画質を優先するなら諦めるしかありません。

唯一の救いは、RAW+JPEGを同時記録しても速度低下しないこと。RAW+JPEGの同時記録は、ピント確認時に役立つので、メディア容量に余裕があるなら積極的に活用したいところです。

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まとめ

テストの結果、RAW非圧縮14bitとRAW圧縮12bitの違いは「解像度」の違いとして現れることが判明しました。また「非圧縮RAW」と「非圧縮RAW+X.FINE 60M」は、どちらを設定しても「連写速度が変わらない」という結果も得られました。圧縮12bitRAWでも14bit同等に仕上げられる現像方法を開拓する必要がありそうです。

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この記事を書いた人
ちゃんまさ

雑誌編集部勤務を経て、個人制作会社を設立。30年以上にわたり雑誌取材、企業の企画執筆・写真撮影・TV番組の撮影などに従事。業務で得た経験や知見をもとに、カメラ・写真レタッチ・動画編集・商品レビューなどの情報を発信します。

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