Text/Photo:ちゃんまさ
ブライトモニタリングとは
写真撮影は、周囲が暗くてもカメラを三脚に設置して「長秒露光」すれば、夜空に広がる天の川さえ撮影できます。ところが、ファインダーが真っ暗の状態では、ピントすら合わすことができません。ミラーレス一眼は、光学ファインダーに比べて比較的暗いレンズでもファインダーを明るく表示できますが、ピント合わせは容易ではありません。
ソニーα7R5の「ブライトモニタリング」は、そのような状況下で活用すると、ファインダー像を明るく表示でき、暗闇でも構図の確認やピント合わせできるようになります。ただし「ブライトモニタリング」は、特殊な設定をおこなう必要があるため、その方法をご紹介します。
撮影前の準備と注意事項
ブライトモニタリングは、ファインダーに映し出すための映像を生成する時、通常よりも露光時間を長く設定することで画像を明るく表示します。露光時間が長くフレームレートも減少するため、手持ち撮影するとファインダー像が流れ、ピント合わせがしづらくなります。カメラを三脚に設置するのが一般的な方法になります。
用意するもの
- 三脚
- リモートレリーズ
注意点
ブライトモニタリングは運用上、多くの作動条件があります。自動解除される条件を抜粋しましたのご参照ください。とくに、MF時の自動ピント拡大に設定していると、ピント操作した瞬間に画面が拡大表示され、ブライトモニタリングが自動解除されます。
撮影方法
カメラの設定・操作
1 ブライトモニタリングを使用するには、機能を「カスタムキー」に設定する必要があります。
【メニュー】→【セットアップ(トランクアイコン)】→【操作カスタマイズ】→【カスタムキー/ダイヤル設定】→希望のボタン等に機能を設定する。
2 【カスタムキー/ダイヤル設定】→【背面1】の項目で「カスタムボタン4」にブライトモニタリングを割り振る方法をご紹介します。※配置するボタンは使いやすいもので構いません。
3 【背面1】の中から「5/カスタムボタン4」を選択します。
4 「カスタムボタン4」にブライトモニタリングを割り振ります。場所は【撮影(カメラアイコン)】→【10 撮影画面表示】に「ブライトモニタリング」があるので選択します。
5 設定後、カスタムボタン4を押すとブライトモニタリングがONになります。再度ボタンを押すとOFFになります。
ファインダーの明るさを検証
効果を確かめるため、午前1時に照明が消灯した岐阜城を1,200mmレンズで撮影しました。ライブビュー表示「設定効果反映ON」は、ほぼ真っ暗の状態で被写体を認識することも困難です。
ライブビュー表示:設定効果反映ON
ライブビュー表示:設定効果反映OFF
▲ライブビュー表示「設定効果反映OFF」にすると城の輪郭が現れました。しかし、画面はカラーノイズが多く、ピントを合わすことは困難です。
ブライトモニタリンク
▲ブライトモニタリンクをONにすると、城の白壁、格子、瓦などが識別できるまで画像が明るくなりました。ピント拡大は併用できませんが、全体表示のままでもピント合わせできます。
※ピント拡大を利用するとブライトモニタリンクが自動的に解除されます。
まとめ
α7R5は、一眼レフではピントが合わせられないシーンでも、ブライトモニタリングを活用するとピント合わせできるレベルまで明るくできます。星景写真やホタルの撮影などで絶大な効果を発揮するので、事前にセットアップしておくとたいへん便利です。
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