ソニーα7iiiを導入してから2年間、フォーカスエリアとAF性能の因果関係を興味本位で調べてきました。
ようやく「AF追従性に特化した動体向け設定」と「静止画無絵の高精度設定」が、筆者の撮影スタイルで確立されてきました。
個人的な妄想や技術的解釈が含まれているので、参考程度で試していただけると幸いです。
動体を撮るならAF-C+拡張フレキシブルスポットがベスト!
拡張フレキシブルスポットは、中心部のフレキシブルスポットS、その周辺に第2優先フォーカスエリア8点を配置した、動体撮影向けのフォーカスエリアです。
中心部でピントが追従できなくなると周辺部の測距エリアでフォーカスをアシストし、相乗効果でピント追従性や精度を高めています。
AF-Cと拡張フレキシブルスポットを組み合わすことで、高速で移動するレーシングカーを高精度かつ顔確率でAF追随連写時することができます。
3通りのグリーン点灯状態を理解する!
拡張フレキシブルスポットを使用すると「フレキシブルスポットSもしくは周辺フォーカスエリア8点」の測距点が常にグリーン点灯している印象です。「常にピントが合っている、すげ〜」と感動するのは、SONYの演出にハマっていますよ。
細かなフォーカスエリアの点灯状態を確認すると・・・
[1]フレキシブルスポットSと周辺部が同時点灯した状態
[2]フレキシブルスポットSは点灯せず、周辺部のみが点灯した状態
[3]フレキシブルスポットSと周辺部がすべて消灯した状態
上記3点が「目まぐるしく変化している」ことに気づいていただけるはずです。
[1]ピントが合っている状態のファインダー像です。フレキシブルスポットSとピント状態のアイコンが両方ともグリーンに点灯した状態です。いわゆるガチピン状態です。
[2]の状態は、フレキシブルスポットSはピントが追従できず、周辺部の情報を元にピントを補足している状態です。ピント状態のアイコンはグリーンに点灯・・・・。紛らわしいよ!!!!
ガチピンではありませんが「運が良ければ被写界深度でカバーできる状態」です。
[3]の状態は、ピントが全く合致していない状態。ピンボケです。
中心部がグリーン点灯した時が「ガチピン」の合図
動き物を撮影する時のコツは、拡張フレキシブルスポットの中心部の点灯状態に全神経を集中し、中心部がグリーンに点灯した時にシャッターを切ることを心がけます。何も意識せずにシャッターを切った時よりも合致率が向上するはずです。
フォーカス表示の状態でもピント状態を確認できますが、フレキシブルスポットの状態が一致しません。
個人的には拡張フレキシブルスポットの中心部を確認するように心がけています。
静止物撮るならAF-S+フレキシブルスポットMが最強!
ソニーαのAFシステムは、ピント合わせの最終段階にコントラストAFで精密なピント合わせをおこなっています。ハイブリツドAFと宣伝されていますが根本的にはコントラストAFなのです。
コントラストAFは「測距エリア内でもっともコントラストが高い部分」に合致します。位相差測距は、エリア内の手間に合致します。
位相差測距に慣れたユーザーは、測距エリア内の最前列にピントを合わして欲しいと願いますが、コントラストAFは、奥にピントが合うことも考えられます。
そのため、ソニーαでピント精度を高めるためには、測距エリア内にコントラストAFエリアが多くあるほど有利になります。
α7III・α7RIII・α7RIV・α9・α9IIのコントラスト測距点は425点です。フレキシブルスポットSはコントラストAF枠が1個、フレキシブルスポットMはコントラストAF枠を4個または6個(!?)使用して最終段階のピントあわせをしていると推測されます。
フレキシブルスポットSは、エリアが狭すぎAF性能が低下する傾向にあります。暗所は顕著です。
フレキシブルスポットMは、複数のコントラストAF枠を利用するため補足能力が向上。コントラストAF枠の4個または6個の内、最も手前のエリアにピントを合致させていると推測します。
ブツ撮りや風景写真は「AF-S+フレキシブルスポットM」の組み合わせが最も緻密にピントが合わせられると、中の人に確認しました。
まとめ
ソニーαは、フォーカスエリアの設定によりAF性能が変化します。お気に入りの1つを使いずつけるのではなく、シーンに応じて使い分けることをおすすめします。
自分の撮影スタイルに合ったフォーカスエリアが見つかるはずですよ!
最後までお読みいただきありがとうございます。