どもっ!
撮影現場で「もうすこし大きく撮影したいんだけどぉ〜」という要望にことえてくれるクロップモード。α7iiiに搭載される[ APS-Cサイズ撮影 ]と[ 全画素超解像ズーム ]を比較して、どっちの画質が優れているかジャッジしました。
クロップモードと全画素超解像ズームの違いを比較
有効画素数 | 倍率 | 記録方式 | ||
クロップモード (APS-Cサイズ撮影) |
3936 x 2624 (10M 3:2) |
約1.5倍 | JPEG・RAW | |
全画素超解像ズーム | 6000 x 4000 (24M 3:2) |
1.0〜2.0倍 | JPEG | |
参考:純正テレコン1.4倍 | 6000 x 4000 (24M 3:2) |
約1.4倍 | JPEG・RAW |
クロップ(APS-Cサイズ撮影)モードの仕組み
↑α7iii+SEL100400GMで撮影
APS-Cサイズ撮影(クロップ)は、フルサイズセンサーのAPS-Cサイズの領域だけを記録するモードです。拡大処理は行われないのでサイズは約1000万画素まで小さくなります。
撮影倍率
APS-Cサイズ撮影は、35mmフルサイズセンサーの「APS-C撮影領域」のみで記録することで、撮影倍率を1.5倍に拡大できる機能です。
35mmフルサイズで撮影したデータを、Photoshopなどのソフトウエアでトリミングした場合と同じ結果になります。
周辺部の画像を切り捨てる(トリミング)だけなので画像劣化しません。
解像度
撮影サイズはフルフレーム撮影時よりも小さくなります。
記録方式
記録方式はJPEGとRAWに対応します。
全画素超解像ズームの仕組み
↑α7iii+SEL100400GMで撮影
全画素超解像ズームは、フルサイズセンサーのデータを元に拡大補間処理がおこなわれます。撮影サイズはフルサイズで撮影した時の同じ大きさになります。
撮影倍率
全画素超解像ズームは、1.0倍〜2.0倍の範囲でデジタル補間をおこない撮影画素数を維持しながら拡大できます。
拡大処理がおこなわれるので画像劣化します。
解像度
拡大処理がおこなわれるので、最大画素数は低下しません。
記録方式
記録方式はJPEGのみ。
比較
↑α7iii+SEL70200GMで撮影
クロップ撮影の画像品質を調べてみました。上の写真は約10倍に拡大した天守閣の写真です。
APS-Cサイズ撮影の印象
解像度は一番高いですね。
全画素超解像スームの印象
カメラ内部で拡大処理されるため解像度が若干ですが低下します。
露出が明るくなる傾向にあります。-1/3程度暗く補正した方が良さそうです。
1.4倍テレコンの印象
FE100400GMと純正1.4倍テレコンの組み合わせは、下手なレンズの性能を凌ぐ解像度です。コントラストが若干低下しますが、シャチホコや手すりの解像感は及第点に収まります。
選択の基準は?
写真の目的が画素数を必要としないWEB用途(3936×2624以内)なら、APS-Cサイズ撮影(クロップ)の画質がベストです。全画素超解像ズームで撮影した写真は、解像度とコントラストがわずかに低下する印象です。
6000×4000で撮影した全画素超解像ズームと1.4倍レテコンの組み合わせを比較すると、1.4倍レテコンで撮影した写真の方が解像度&コントラストともに良好な結果でした。
↑α7iii+SEL70200GMで撮影
上左の写真は、APS-Cサイズ撮影の画像(3936×2624)をPhotosopで6000×4000に補完拡大した写真。右側は全画素超解像ズームで撮影した6000×4000の写真です。
APS-Cサイズ撮影の画像は1000万画素相当のサイズですが、Photosopで2400万画素相当に拡大補間すると全画素超解像ズームより解像度やコントラストが勝ることが判明しました。
APS-Cサイズ撮影 | 全画素超解像ズーム | 1.4倍テレコン | |
解像度 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
コントラスト | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
サイズ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
レンズや設定によりAF測距点数が変化する
画質の違いが判明しましたが、α7iiiはモードによってAF性能が変わります。
クロップモードは位相差測距点が減少。全画素超解像ズームは、一応位相差AFが作動するようですが、フォーカスエリアが全面になります。
また、1.4倍テレコンを装着するとレスポンスが僅かに低下する印象です、
測距点数 | フォーカスエリア | ||
クロップモード (APS-Cサイズ撮影) |
フルサイズ用レンズ+APS-C撮影 位相差:299点 コントラスト:425点 APS-C用レンズ+APS-C撮影 位相差:221点 コントラスト:425点 |
通常通り | |
全画素超解像ズーム | 詳細不明 | 全面のみ | |
参考:テレコン1.4倍 | フルサイズ用レンズ 位相差:693点 コントラスト:425点 |
通常通り |
APS-Cサイズ撮影時の位相差測距点とフォーカスエリア
APS-Cサイズ撮影した場合、装着するレンズで位相差測距数が減少します。
フォーカスエリアは、通常とおり全設定が選択できます。
全画素超解像ズーム撮影時の位相差測距点とフォーカスエリア
中の人によると位相差AFは動作するようですが位相差測距点とコントラスト測距点の具体的な数は公開されていません。
フォーカスモードはエリア選択ができなくなります。
1.4テレコン装着時の位相差測距点とフォーカスエリア
クロップモードで撮影した場合、装着するレンズで位相差測距数が減少します。
フォーカスエリアは、通常とおり全エリアが選択できます。
まとめ
撮影現場で急に拡大撮影したい時は、APS-Cサイズで撮影し、フォトショップで拡大処理するのがベストです。後処理を避けたい場合は、全画素超解像ズームを使用するのもアリだと思います。
ただし、全画素超解像ズームはAFエリアが制限されます。
AF性能を重視する場合はAPS-Cサイズの一択。拡張フレキシブルスポットが使用できる効果は絶大ですからね。
動画の場合は、画像劣化が写真ほど目立たないので全画素超解像ズームを使いまくってます(誤爆
最後までお読みいただきありがとうございます。