Nextorage A2 SE CFexpress Type A 実測レビューと問題点

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撮影機材

TEXT/PHOTO ちゃんまさ

CFexpress Type Aカードの新規格「4.0」が発売され、ストレージメーカー各社から新製品が登場してきましたが、価格は高価な傾向にあります。2025年4月現在、ソニーαシリーズで「4.0」に対応する製品はリリースされていませんが、どうせ購入するなら先行投資したいですよね。

そのような状況で、Nextorage A2 SEシリーズは旧規格製品と同等の価格で最新規格を入手できる、注目の製品です。というわけで、Nextorage A2 SE 256GBを自腹購入!

気になるPCへの書き込み速度や書き出し速度、ソニーα1 IIに装着しての「バッファが詰まるまで連写できる枚数」や「バッファフルから解放されるまでの時間」など、独自に検証しました。気になるバージョン2.0と4.0の違いに迫ってみると・・・

結論としては、「コスパの良いNextorage製品を検討中」という人にオススメですが、テストの過程で問題点の発見やトラブルにも遭遇したので、あわせて紹介します。

Nextorage CFexpress Type A A2 SEの価格とスペック

Nextorage CFexpress Type A A2 SEシリーズの基本性能と価格

規格 CFexpress 4.0
容量と価格 256G
¥15,980
512GB
¥29,980
1024GB
¥59,800
メモリータイプ TLC
最大読み出し速度 1900MB/s
最大書き込み速度 1700MB/s
最低持続書き込み速度 400MB/s 850MB/s 1,500MB/s
VPG VPG200
備考 データ復旧ソフト「メモリーカードファイルレスキュー」無料
保証:5年 生産国:台湾

Nextorage(ネクストレージ)A2 SEシリーズの注意点は、容量ごとに最低持続書き込み速度が異なる点です。ブログ管理人が購入した256GBモデルは、400MB/sとなります。

A2 SEシリーズは「CFe4.0対応の廉価モデル」の位置づけ

Nextorage(ネクストレージ)A2 SEシリーズは、CFexpress 4.0に対応する最新モデルです。

A2 Proシリーズ A2 AEシリーズ A2 SEシリーズ
高耐久モデル
メモリータイプ:qSLC
大容量モデル
メモリータイプ:TLC
廉価モデル
メモリータイプ:TLC
60GB / 320GB / 640GB 500GB / 1000GB / 2000GB 256GB / 512GB / 1024GB

同社は、CFexpress 4.0対応製品として3シリーズを展開していますが、A2 SEシリーズは「普及モデル」に位置づけられます。

Nextorage(ネクストレージ)A2 SEシリーズ 256GBは、α7R Vおよびα7R IVで正常動作しました。CFexpress Type A 4.0製品の中では最も廉価なモデルです。SDXC UHS-II V90と同等の価格で購入でき、性能差は圧倒的なため、抜群のコストパフォーマンスが期待できます。

CFexpress Type A 4.0は、パソコンへの取り込み速度も高速です。その反面、本来のポテンシャルを引き出すためには、CFexpress 4.0対応のカードリーダーが必要です。

製品保証

Nextorage(ネクストレージ)A2 SEシリーズ 256GBの製品保証には、5年間の保証が付帯します。

また、データ復旧ソフト「メモリーカードファイルレスキュー」も無料で使用可能です。

A2 SEシリーズはメモリータイプにTLCを採用

Nextorage(ネクストレージ)A2 SEシリーズは、コストパフォーマンスに優れるTLCタイプのメモリーを採用しています。最上位モデルが採用するqSLCと比べると耐久性は劣りますが、趣味用途であればまったく問題のないレベルです。

VPG200は実用上問題なし

Nextorage(ネクストレージ)A2 SEシリーズは、VPG200(動画撮影時の書き込み速度200MB/sを保証する規格)に対応しています。

ソニーαシリーズで8K動画を収録する場合でも、VPG200の書き込み性能があれば問題なく撮影可能です。参考までに、SDXC UHS-II V90クラスの動画撮影時の書き込み速度保証は90MB/sであるため、VPG200は2倍以上の余裕があることになります。

Nextorage CFexpress Type A A2 SEシリーズはCFA認証品

NextorageのCFexpress Type Aカードは、CFアソシエーションサイトで加盟企業として記載されているので安心です。

コンパクトフラッシュアソシエーションで加盟企業を確認する リンク

Nextorage(ネクストレージ)は、ソニーのメディア部門として発足しましたが、現在は台湾のPhison(SSDのコントローラーを製造するメーカー)傘下に入っています。

Nextorage A2 SEシリーズ 256GBのパッケージ裏側

Nextorage CFexpress Type A A2 SE 256GBを開封してみた

AmazonでNextorage(ネクストレージ)A2 SEシリーズ 256GB を自腹購入しました。開封の模様を紹介します。。

本体サイズは、想像以上に小さい

▲ 梱包状態
本体は樹脂製のケースに収められています。

▲ 表面
Nextorageらしいデザインを踏襲。CFexpress Type A認証マークに、バージョン4.0対応を示す「4」が印刷されています。本体は金属製のカバーで覆われています。

▲ 裏面
本体裏側に「台湾製」の記載があります。裏面も金属製カバーで保護されています。

▲ 接点
Nextorage(ネクストレージ)A2 SEシリーズ 256GBの接点。SDカード同様、むき出しの状態です。

SDカードと比較してみた

▲ 大きさ比較
Nextorage(ネクストレージ)A2 SEシリーズ256GBと、手持ちのKingston SDXC UHS-II V90を比較。本体の大きさは、SDカードよりも小型です。

※注意:CFexpress Type Aには、消去防止のロックがありません。

▲ 接点比較
Nextorage(ネクストレージ)A2 SEシリーズ 256GB の接点は 13本、SDXC UHS-II は 17本です。

Nextorage CFexpress Type A A2 SEの写真向けテスト

使用カメラ:Sony α1 II(α1II)

α1IIでバッファフルからの解放されるまでの時間を検証

α1IIの本体設定を「圧縮RAW+JPEG同時記録」と「非圧縮RAW+JPEG同時記録」に設定し、連写モードをHi+にしてテストを実施しました。

使用メディア

  • Nextorage A2 SE 256GB(CFe4.0)
  • Lexer PROFESSIONAL SILVER 160GB(CFe2.0)
  • Kingston CANVAS React Plas 128GB(SDXC UHS-II V90)
  • SP Superior PRO 128GB(SDXC UHS-II V60)
  • SAMSUN PRO+ 64GB(SDXC UHS-I V30)
バッファが詰まるまで連写できる枚数

独自計測日:2025年4月23日

連写モード:Hi+ バッファが詰まるまでの連写枚数
圧縮RAW+JPEG同時記録
バッファが詰まるまでの連写枚数
圧縮RAW+JPEG同時記録
Nextorage A2 SE 256GB 約110枚 約60枚
Lexer PRO SILVER 160GB 約110枚 約65枚
SDXC UHS-II V90 約106枚 約66枚
SDXC UHS-II V60 約110枚 約66枚
SDXC UHS-I V30 約106枚 約65枚

※ α1IIのバッファが詰まるまでの連写枚数は、内蔵バッファ容量で決定されるようです。

バッファフルから解放されるまでの時間

独自計測日:2025年4月23日

バッファフルから解放されるまでの時間
圧縮RAW+JPEG同時記録
バッファフルから解放されるまでの時間
圧縮RAW+JPEG同時記録
Nextorage A2 SE 256GB 約26秒1 約22秒5
Lexer PRO SILVER 160GB 約13秒9 約12秒6
SDXC UHS-II V90 約44秒7 約40秒2
SDXC UHS-II V60 約42秒5 約41秒1
SDXC UHS-I V30 約2分11秒1 約2分3秒8

※ SDXC UHS-II V90と比較すると、CFexpress Type Aカードの圧勝です。ただし、書き込み速度は旧規格のLexer PRO SILVER 160GBに劣る結果となりました(詳細は後述)。

カメラ内フォーマットの時間

独自計測日:2025年4月23日

フォーマット時間
Nextorage A2 SE 256GB 約4.2秒
Lexer PRO SILVER 160GB 1秒以内
SDXC UHS-II V90 約2.5秒
SDXC UHS-II V60 約2.5秒
SDXC UHS-I V30 約3.9秒

※ α1IIでのフォーマット所要時間は、Lexer PRO SILVER 160GBが最族。Nextorage A2 SE 256GBは、これに比べて遅い結果となりましたが、SDカードよりも遅いのは納得できないですね。

カードリーダーとの相性問題

手持ちのカードリーダーで認識せず

当初は、手持ちのTREBLEET製カードリーダー(USB3.2 Gen2/最大10Gbps)を使う予定でした。
この製品はCFe 4.0に非対応のため、A2 SEシリーズの性能を完全には引き出せないものの、動作確認程度には使えると考えていました。

しかし、Nextorage A2 SE 256GBはまったく認識されませんでした。どうやら相性問題があるようです。

Nextorage NX-SA1PRO購入

仕方なく、NextorageのNX-SA1PROを購入しました。

CFexpress 4.0に対応し、数少ないCFexpress 4.0 Type Aメモリーカードの高速転送に最適なカードリーダーです。これにより、問題なく認識・速度計測ができるようになりました。

ブログ管理人のWindows環境は、USB3.2 Gen2とUSB3.2 Gen2×2環境のみで、USB4ポートを備えたPCを所有していません。Mac Mini(インテル)はThunderbolt 3が備わるため「USB4も使えるのでは?」と軽い気持ちで購入しました。

結果は、Mac Mini(インテル)はThunderbolt 3であり、認識されませんでした。USB3.1 Gen1接続すると認識されます。最悪です。

created by Rinker
Nextorage

Windows USB3.2 Gen2接続時の転送速度

Nextorage NX-SA1PROを自作Windows機のUSB3.2 Gen2ポートに接続した状態で、CrystalDiskMarkで速度計測を行いました。

※データ転送速度は最大10Gbpsです。そのため、Nextorage A2 SE 256GB本来の性能は引き出せない環境になります。

▲Nextorage A2 SE 256GB(CFe4.0)
USB3.2 Gen2ポートの上限値(10Gbps)で打ち止めですが、シーケンシャル速度はCFe2.0製品よりも高速です。しかし、ランダムリード値が極端に遅くなります。

▲Lexer PROFESSIONAL SILVER 160GB(CFe2.0)
シーケンシャル性能は規格上の上限値を発揮。ランダムリード値は平均的で、欠点がありません。

Nextorage A2 SE  256GBの問題点

Nextorage A2 SE 256GBの問題点は、ファイルサイズの小さなランダムリード値が、SDカード並みに遅い点です。

CrystalDiskMarkテストのシーケンシャル値は立派ですが、実際にはA1IIの書き込み速度が、旧規格(CFe4.0)製品である「Lexer PRO SILVER 160GB」よりも2倍遅いことが、独自の検証結果で判明しています。

そのため、カメラで画像を消去しながら撮影を続けると、ランダム状態で書き込みすることになり、書き込み速度が低下する恐れがあります。

CrystalDiskMarkの速度計測に騙されないこと

CFeカードで重要なのは、CrystalDiskMarkテストの数値(とくにシーケンシャルの数値)を鵜呑みにせず、実際に使用するカメラの記録時間を重視すべきだという点です。

Nextorage A2 SE 256GBの諸問題を回避する運用方法

  1. データをバックアップしたらカメラで毎回フォーマットする
    フォーマットすることでシーケンシャルリード値を維持し、保存しやすい環境を整えます。

  2. カメラで画像を消去せず、容量ギリギリまで撮影しない
    写真データをシーケンシャルで書き込みできる状態を維持し、ランダム時の速度低下を抑えます。

Nextorage A2 SE  256GBは写真連写用としてオススメできない

今回の独自検証の結果、旧規格(CFe4.0)製品である「Lexer PRO SILVER 160GB」より、バッファフルからの解放に「プラス10秒」かかる驚愕の事実が判明しました。スポーツやレース、航空機、野鳥撮影など、連写を多用するシーンでは致命的です。

ブログ管理人もこれまで「Lexer PRO SILVER 160GB」を使用しており、バッファフルから解放されるまでの時間は約12秒程度という肌感覚がありました。しかし、Nextorage A2 SE 256GBが、まさかバッファフルから解放されるのに「26秒もかかる」とは想定外でした。

せっかく購入したNextorage A2 SE 256GBですが、ブログ管理人的には「2軍行き決定」です。これが高速ストレージに求められる残酷な判断です。

もしくは、動画撮影用として使用予定です。

まとめ

CFexpress Type Aカードの現状と選択肢

CFexpress Type Aカードは、実質的にソニーα専用メディアと言えます。現在(2025年4月現在)、ソニーαシリーズがCFexpress 2.0規格を採用しており、CFexpress 4.0に対応したソニーα機種はまだ発売されていません。そのため、CFexpress 4.0製品を購入するのは、少し時期尚早と考えられます。

コスパ重視ならLexar Professional CFexpress Type A SILVERシリーズ

コストパフォーマンスを考えると、CFexpress 2.0規格ながら、ソニーα1IIでの高速書き込みが可能な「Lexar Professional CFexpress Type A SILVERシリーズ」をお勧めします。このカードは、CFexpress 2.0に対応したカメラで十分に高速なパフォーマンスを発揮し、現行ソニーαシリーズに最適な選択肢となります。

この記事を書いた人
ちゃんまさ

雑誌編集部勤務を経て、個人制作会社を設立。30年以上にわたり雑誌取材、企業の企画執筆・写真撮影・TV番組の撮影などに従事。業務で得た経験や知見をもとに、カメラ・写真レタッチ・動画編集・商品レビューなどの情報を発信します。

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