TEXT & Photo:ちゃんまさ
DxO ViewPointとは、建物を広角レンズで撮影した時に発生しがちなパース歪みを初心者にも使いやすいインターフェースで簡単に補正できるソフトウェアです。完成度の高い写真を追求するフォトグラファーを中心に人気です。
2024年10月15日に発売された「DxO ViewPoint 5」をいちはやく入手し、パース補正や複雑な歪みを簡単に補正できる新機能「ReShape Fusion」を実際に体験しました。
結論を先に述べると「ReShape Fusion」は建築写真や不動産の物件写真において「凄みを感じる最強ツール」になりそうです。また、「自由度を増したパース補正能力」は商品写真と相性抜群で、プロフェッショナル向けの製品だと思いました。
購入を検討している人の参考になれば嬉しいです。
DxO ViewPoint 5 新規購入 | 価格:12,900円 |
DxO ViewPoint 5 アップグレード v4所有者対象 |
価格:7,900円 |
DxO Labsホームページ → DxO ViewPoint 5
DxO ViewPointはパース歪みを補正する専用ソフト
DxO ViewPointは、レンズの歪みを修正し、完璧なパースを実現するために開発されたDxO Labsの機能特化型ソフトウェアです。
「DxO ViewPoint 5」の詳細は、DxO Labs公式ホームページ 「DxO ViewPoint 5」で確認できます。
おもに広角レンズで撮影された画像の歪みをわずか数クリックで自然なレベルに補正し、プロフェッショナルレベルの写真に仕上げてくれます。
AI補正技術で写真の歪みを「より速く、より正確に」
DxO ViewPointは、AIベースの補正技術を導入し、レンズ固有の湾曲やズームレンズの焦点距離による歪みの変化を修正できます。
各設定の「自動」ボタンをクリックすると人工知能が画像の状態を解析し、独自のDxO光学モジュールとの相乗効果で歪みを抑えた画像に仕上げてくれます。
ある程度の補正を自動設定に任せ、その後「手動調整によりきめ細かに追い込む」といった上級者向けの運用方法も可能です。
広角レンズや魚眼レンズで補正効果を実感!
広角レンズで撮影した際に発生する「パース歪み」、魚眼レンズの「魚眼効果」を効率よく補正。アクションカムで撮影した歪んだ写真を自然な雰囲気に仕上げることができます。
DxO ViewPoint 5の「7つの補正ツール」
DxO ViewPoint 5の作業画面はこんな感じ。目に優しいダーク基調のデザインを採用します。
初心者に優しい直感的なユーザーインターフェース
直感的な操作が可能なインターフェースは、初めてのユーザーや初心者でも簡単に利用でき、プロフェッショナルな仕上がりを短時間で実現します。
- ディストーション
- ボリューム歪像
- パース補正
- Reshape Fusion
- 水平
- クロップ
- ミニチュア効果
◆補正機能1:ディストーション補正
写真ファイルのEXIFデータから最適なDxO光学モジュールを読み込み、自動的に適用することで、レンズ固有の湾曲や収差をラボレベルで補正します。
EXIFデータが読み取れない画像は、手動で「樽型湾曲・糸巻き型湾曲・魚眼湾曲」を個別に調整できます
引用:DxO光学モジュールの対応状況は「公式サイト(サポートされているカメラとレンズ)」で確認できます。
◆補正機能2:ボリューム歪像補正
広角レンズは、周辺部分の被写体が放射方向に引き伸ばされる特性があり、この歪みをボリューム歪像と呼びます。
写真中央を起点に、被写体が周辺部分の水平方向または垂直方向にある場合は、「水平/垂直」ボタンを選択し、効き具合をスライダーで調整して画像補正します。
写真中央を起点に、被写体が周辺部分の対角線上ににある場合は、「対角線」ボタンを選択し、効き具合をスライダーで調整します。
◆補正機能3:パース歪み補正
パース歪み補正は、自動補正のほか、垂直方向の平行や水平方向の平行の手動補正、長方形を強制した補正や、8つのポイントを起点とする方法での補正できます。
◆補正機能4:ReShapeツール
ReShapeツールは、グリッドポイントを使い、画像の複数の要素を部分的に補正できます。
◆補正機能5:水平補正
水平線が斜めにズレた時に、水平レベルを補正することができます。
◆補正機能6:画像のクロップ
補正ツールの適用で、余白が発生する場合、画角内に余白が入らないようにクロップします。
クロップのアスペクト比は、オリジナル維持のほか、任意の比率を設定できます。
◆補正機能7:ミニチュア効果
ティルトシフトレンズの効果をソフトウェア的にシミュレーションし、風景写真に模型やジオラマのような雰囲気を実現できます。
DxO ViewPoint 5 新機能「ReShape Fusion」を解説
DxO ViewPoint 5は、新機能として「ReShape Fusion」を搭載し、より複雑なパース歪みの補正を直感的に行えるようになりました。
旧バージョンの「ReShape」は、メッシュ内のポイントを手動でドラッグすることしかできませんでしたが、DxO ViewPoint 5 は、さらに複雑な修正作業がおこなえるように進化しました。
ReShape Fusionのモード
- モード1:自由変形 → 画像の一部を周囲に影響を及ぼさず自由変形
- モード2:ボリューム歪像 → 画像の一部を周囲に影響を及ぼさずボリューム歪像補正
- モード3:パース → 画像の一部を周囲に影響を及ぼさずパース補正
というわけで、ReShape Fusionの新しいオプション「モード1」を例に紹介します。
ReShape Fusion モード1:選択部分のみの移動
複数のメッシュポイントを選択し、グループ単位で上下左右斜めに移動できます。
二重丸の表示ポイントが選択部分、白い点が影響を受ける部分、青い点は影響を受けないポイントになります。
ReShape Fusion モード1:選択部分のみの回転
複数のメッシュポイントを選択(二重丸の部分)し、グループ単位で回転できます。
他社ソフトは、数値入力により回転量を決定しますが、ReShape Fusionはリアルタイムで調整できます。
ReShape Fusion モード1:選択部分のみの拡大縮小
複数のメッシュポイントを選択(二重丸の部分)し、グループ単位で拡大縮小できます。
「移動、回転、拡大縮小」の選択方法と広がりの調整方法
広がりスライダと固定枠線の機能
- 広がりスライダ → 周囲に影響を及ぼす範囲を設定
- 固定枠線のチェック → 画像のクロップを抑制
作業の流れ
- ReShape Fusionは、事前に右側の操作画面でポイント数などを設定します。
- 補正したい部分(複数のポイント)を選択します。
- 画面右下にある操作パネルで、選択部分の補正方法「移動、回転、拡大縮小」を選択します。
- 周囲のポイントに伝播する強度レベルを「広がり」設定します。
上記の流れで補正することで、境界部分の唐突な変化を抑えた「滑らかな調整」が可能です。
新機能ReShape Fusionのリアル体験談
写真編集ソフト「Photoshop 5.5」から使っているブログ管理人のちゃんまさが、「DxO ViewPoint 5」を自分のWindowsパソコンにインストールして、実際に使用した体験談をまとめました。
イベント取材で撮影した車両写真。広角レンズによる手持ち撮影のため歪みが発生しています。この歪みをReShape Fusionで補正する過程を紹介しましょう!
「パース補正」の項目で垂直ラインの歪みを補正後、「Reshape Fusion」を有効化しました。二重丸の表示ポイントが選択部分、白い点が「広がり」で影響を受ける部分、青い点は影響を受けないポイントになります。
処理前の写真で気になった歪みは下記
- ヘッドライトの大きさが左右で異なる。
- Fタイヤに比べてRタイヤが小さい。
これらの歪みを「Reshape Fusion」で取り除いていきます。
修正後はこんな感じに仕上がりました。助手席側のヘッドライトを小さく、リヤタイヤを大きくさくしました。
ReShape Fusionを体験した感想は?
Reshape Fusionの採用により、部分的な歪み補正が驚くほど簡単に調整できることを体感できました。周囲のポイントに伝播する強度レベルを設定できるため、旧バージョンのように境界線で画像が唐突にズレることがなく、滑らかなで自然な感じに仕上がります。
この機能は、完璧な写真を追求するフォトグラファーはもちろん、不動産関連の職種で大量の建築写真や室内写真を扱う業務において、作業時間の短縮に効果を期待できそうです。
気になる点は、DxO ViewPoint 5をWindowsにインストール(AMD Ryzen 7 5800XとRTX 4070Tiの組み合わせ)して試用しましたが、ReShape Fusionの広がり設定を強く効かせた時に動作の重さを感じました。
DxO ViewPoint 5 ジャンル別のビフォーアフター
DxO ViewPoint 5の実体験で、使い方と「広がり」のコツをマスターできました。
そこで、より実践的に、DxO ViewPoint 5の効果が発揮できそうな写真ジャンルを選り抜き、効果を試したみました。
建築写真のビフォーアフター
Photo:ちゃんまさ
建築写真は、正確な水平・垂直を維持することが求められます。
広角レンズを使用するケースが多い現場ですが、建築写真が嫌うパース歪みが強調されがちです。
DxO ViewPointは、このようなパース歪みをわずか数ステップの作業で補正し、シフトレンズ同等の効果を得ることができました。
インテリア写真のビフォーアフター
Photo:ちゃんまさ 撮影協力:魚茂
屋内写真やインテリア撮影は、狭い空間を広く見せるために広角レンズを使用するのが基本です。
しかし、カメラの高さを調整できない現場では、構造物・建具・家具が歪んでしまいます。DxO ViewPointの補正機能は、このような歪みを簡単に補正し、短時間で取り除くことができました。
風景写真のビフォーアフター
Photo:ちゃんまさ
風景写真は、広大な風景を広角レンズが使用することが多いですが、地平線・建築物・樹木などに意図しないパースがつき、写真が歪むことがあります。
DxO ViewPointはこれを補正し、整ったリアルな風景写真に仕上げることができました。
商品写真のビフォーアフター
広告で使用する商品写真は、製品形状を正確に伝えることが重要です。
100mmマクロレンズで撮影したわずかな歪みも嫌われる傾向にあり、水平・垂直のラインを正確に出すことが基本になります。
DxO ViewPointの補正機能を使えば、商品写真のパース歪みを正確に補正できました。
Photo:ちゃんまさ
ちゃんまさがブログ記事用に撮影した写真をパース補正しました。写真左は補正前、写真左は補正後。垂直方向のパースを取り除くことができました。
DxO ViewPoint 5 無料試用版ダウンロード
「ますは新しいViewPointを試してみたい!」と考えるユーザー向けに、無料体験版(フリートライアル)を用意しています。
30日間無料で体験版を試用する方法
DxO公式サイトの「DxO ViewPoint 5無料体験版ダウンロード」から、インストーラーを入手します。
- 上記リンクから「DxO ViewPoint 5試用版ページ」にアクセス
- メールアドレスを入力してボタンをクリック
- アプリが自動的にダウンロード
上記3ステップで入手できます。
体験版の入手方法やインストールのやり方、アクティベート方法を詳しくまとめた関連ブログ記事「無料体験版の入手方法、製品版の違いや制限を解説」を制作しました。詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
体験版の制限について
DxO ViewPoint 5体験版は、30日間完全無料で製品版の全機能を試用できます。期間中はデータ保存も可能です。
30日が経過すると、DxO ViewPoint 5は使用できなくなります。
体験版の試用期間終了後 自動契約や料金請求の心配なし!
用心深いユーザーや某社試用版を体験した人の中には「試用期間が終了すると自動契約になるのでは?」と考える人も多いはずです。
DxO ViewPoint 5無料体験版は、試用期間終了後に「サービスの自動契約」や「料金が請求されること」はありません。
安心してご利用ください。
DxO ViewPoint 5 価格とアップグレード料金
DxO ViewPoint 5の価格とアップグレード料金
DxO ViewPoint 5 新規購入 | 価格:12,900円 |
DxO ViewPoint 5 アップグレード v4所有者対象 |
価格:7,900円 |
DxO Labsは、2024年10月15日より、DxO Labs公式ショップ にて「DxO ViewPoint 5」の発売を開始しました。価格は、新規購入12,900円、アップグレードは、バージョン4ライセンス所有者を対象に7,900円で販売されます。
対応OSは、Windows版とMacOS版を用意し、クロスライセンス(最大2台にインストール可能)で使用できます。なお、モバイル版やWEB版の設定はありません。
ライセンス買い切り型で永続利用できます。
プラグイン対応ソフト一覧
DxO ViewPoint 5は、ソフトウェア単体で動作するスタンドアローン版と、主要写真編集ソフトのプラグイン版があり、どちらも制限なく使用できます。
- Adobe Photoshop
- Adobe Photoshop Elements
- Adobe Lightroom Classic
- DxO PhotoLab(DxO PhotoLabの機能として統合)
今だけお得に始められるバンドル版
DxO ViewPoint 5の発売と同時に、ソフトウェアをお得な価格で購入できるバンドル版も同時リリースされました。
- DxO ViewPoint 5 + DxO PhotoLab 8 バンドル → 32,900円
- DxO ViewPoint 5 + DxO PhotoLab 8 + DxO FilmPack 7 バンドル → 41,900円
DxO ViewPoint 5の購入方法やインストールのやり方、アクティベート方法を詳しくまとめた関連ブログ記事「購入方法やアカウント登録〜インストール&認証まで解説」を制作しました。詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
DxO ViewPointとPhotoshopの違いは?
パース補正特化ソフト vs 総合写真ソフト
Adobe Photoshopは、画像編集やデザイン全般をカバーする総合的なツールです。
一方、DxO ViewPoint 5はパースの歪みやレンズ固有の歪みの補正に特化したソフトウェアの違いがあります。編集技術があれば、パースの歪み除去自体はAdobe Photoshopだけでも修正できます。
Photoshop
「パペットワープ」の操作画面
Photoshop
「ゆがみ」の操作画面
パース歪みやレンズ固有の歪みを取り除く作業においては、DxO ViewPoint 5の方が、高度な補正機能で迅速かつ正確に補正できる印象を受けました。
DxO ViewPointの自動補正は実用レベルの高精度
DxO ViewPoint 5は、AIによる機械学習技術を活用して自動的に歪みを検出し、修正する機能が有能です。
ViewPointのAIベースのアルゴリズムは、建築や広角撮影の写真に対して優れた処理を施し、より自然な雰囲気に仕上げてくれます。
DxO ViewPointは研究室レベルのレンズ補正プロファイルを活用
DxOは、カメラやレンズに関する膨大なデータベースを持っており、DxO光学モジュールを適用することで、レンズ固有の歪みを正確に補正できます。
Photoshopにもレンズ補正機能はありますが、DxO光学モジュールが勝る印象を感じました。
まとめ
DxO ViewPoint 5の総括
今回、DxO ViewPoint 5は、写真の歪み補正やパース調整に優れた機能を持つ強力なツールを体験しました。プロ仕様の編集が手軽にでき「商品写真、建築写真、不動産の物件写真」など大量の写真を扱う現場で、高い生産性を発揮すると感じました。
とくに新機能の「ReShape Fusion」は、柔軟かつ高度な編集作業が可能です。
まずは体験版を試し、その効果を実感してみませんか? あなたの写真編集のスキルが一段と進化すること間違いなしです!
DxO Labsホームページ → DxO ViewPoint 5
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