発売直前の発売延期に多くのユーザーの気持ちをヤキモチさせたSC-PX1Vが発売されました。
というわけで、SC-PX1VとSC-PX5VIIのプロファイルを入手(分かりづらいところに隠してありますが見つけましたよ!)。早速、特殊なアプリを使って色域の違いを検証しました。
ライバル機種のPIXUS PRO10Sのプロファイルも検証しましたよ。
実機の印刷物を確認していない「卓上の妄想」ですが、購入検討の資料になるかもしれませんので、ご興味があればお役立ください。
僕はα7SII後継機の発表待ちなので今すぐ購入できません。破産寸前です。
製品購入前の注意
セットアップでインクを使い果たします。インクと排インクタンクを購入する予定があります。性能は良いようですが、ランニングコストが凄まじい模様。
僕の邪算だと、本体・インクセット・廃インクタンクタンクの総額ベースでランニングコストを計算すると、L版1500枚印刷時の単価は80円ぐらいになります。
その点を納得されてから購入することをお勧めします。
SC-PX1VとSC-PX5VIIのプロファイルを比較
色域 ブラック線 = SC-PX1V ブルー線 = SC-PX5VII
SC-PX1Vが優る色域と劣る色域
SC-PX1V(クリスピア用)とSC-PX5VII(ピクトロ純正)のカラープロファイルを比較しました。
第一印象は、表現できる色域はとても近似してます。
▼ SC-PX1Vが優る色域
アピールポイントであるブルー領域、シアン領域、グリーン領域。
▼ SC-PX5VIIが優る色域
レッド領域、パープル領域、黄緑領域。
旧機種との違いは?
SC-PX1Vの色域は、SC-PX5VIIの色域を踏襲しながら、青からライトグルーンにかけて色域が拡張されました。僕の予想では、もう少し拡張されると思っていましたが、劇的に拡張されたわけではありませんね。
従来のプリンタは、フォトショップで補正した空(彩度が高くなった青)はプリンタでは表現しずらい領域でしたので、青空が綺麗に印刷できる(しやすくなる)と思われます。
その反面、赤と紫の色域がSC-PX5VIIより狭くなりました。これらの色は、服に使われる色なので、ポートレートの鮮やかさ(肌色ではなくて服の色)は劣るかもしれません。
色域からは「黒の締まり」はわかりません。黒の締まりもSC-PX1Vのアピールポイントなので、見栄えは良くなっていることが推測できますよね。
SC-PX1VとPIXUS PRO-10Sのプロファイルを比較
色域 ブラックの線 = SC-PX1V マゼンタの線 = PIXUS PRO10S
SC-PX1Vが優る色域と劣る色域
SC-PX1V(クリスピア用)とPIXUS PRO10S(ピクトロ純正)のカラープロファイルを比較しました。
第一印象は、メーカーの特徴がはっきり現れていますね。
▼ PX1Vが優る色域
アピールポイントであるブルー領域、シアン領域、レッド領域。
▼ PIXUS PRO10Sが優る色域
グリーン領域、黄緑領域、パープル領域。
ライバル機種との違いは?
SC-PX1Vの色域が PIXUS PRO10Sを圧倒するようなことはありませんでした。
「グリーン領域、黄緑領域、パープル領域」はPIXUS PRO10Sが優ります。
ただし、蛍光グリーンはクロマキーで使われる色。使用頻度の低いグリーン領域が強くても、自然界で存在しない色なので、メリットが発揮できるシーンは少ないと思われます。クロマキーの緑が綺麗に印刷されても評価されませんからね。
ブルー領域はSC-PX1Vが強く、ブルー領域は青空の再現性向上に寄与すると思われます。
実用的なメリットはSC-PX1Vに軍配が上がりそうです。
SC-PX1Vの功罪
SC-PX1Vは今後5年間の活躍が期待できるエプソン民生用プリンタの最高機種です。
印刷物が苦手とする「青」の再現領域を広げた機種です!
しかし、代表的なプリントに、富士フィルムの銀塩写真「フロンティア」がありますよね。
フロンティアの色域はsRGB(メーカー確認済み・正確には色温度を独自運用)。青の表現が極端に苦手なんです。
初めて購入するプリンタがSC-PX1Vの場合、このプリンタに慣れてしまうと、銀塩写真「フロンティア」で思い通りの色で出力できなくなることを危惧します。
商業印刷(CMYK)に使用する場合も同様です。
SC-PX1V基準でレタッチした写真をフロンティアで出力する場合、イメージが一致しないトラブルが発生すると思われます。
印刷品質は色域が全てではない!
今回は、SC-PX1Vの色域に注目しました。今後、A2ノビ機のSC-PX1LVも発売されますが、プロファイルは共用です。
印刷品質における色域は、性能を示す一部にすぎません。色域が広くても、ブツブツが気になるようでは高品質と言えませんからね。
僕が望む性能は、正確な色の再現性です。
SC-PX1Vのメリットは、僕の個人的な印象は、大幅な小型化や廃インクタンクが自分で交換できる点だと思っています。
気になる点は、Epson ColorBase 2の校正能力に興味津々です。
ネット情報
空のインク経路に充填される分はわかりますが、
これはツライよ。
なお、SC-PX1Vさんてば初期インク充填後いきなり残量これ。
流石にあばれる君降臨しそうになるやつw pic.twitter.com/VIEDZK9jKg— O_M (@makotode5) July 9, 2020
出典:「ohigashi_makoto.ORF」さんの記事を引用
若い学生が、必死にバイトで稼いだお金でプリンタを購入して、この仕打ちにあったらかわいそう。
掲示板を見ていると「セットアップインクと書いてあるでしょ!」と正論を主張する方も見えますが、僕は心が狭ので「新製品を買った喜びが一気に冷めてしまいそう」です。
某レーザー系プリンタの方と話をしましたが「最新型=高性能」とは言い難い状況だと言ってました。現場としては「古くから指名買いしてくださる顧客が離れないかと危惧している」とのことでした。
プリンタ業界は、どこも同じ状況ですか?
廃インクタンクが修理扱いの対応から自分で交換できるようになり15,000〜20,000円のコストが浮かせると思ったら、インクで回収ってことですね。
使用前のメンテナンスボックス(廃インクタンク)は108グラムに対して、使用後は390グラムと実に280グラムの増量になっていた。それでは印刷を再開し、インク充填後のプリント枚数について考察したい。 pic.twitter.com/hl380Jfcjq
— ミストさんののんびりカメラ (@MistralSatoshi) July 14, 2020
出典:「ミストさんののんびりカメラ」さんの記事を引用
初回起動時のセットアップで、インクを300cc近く垂れ流すようです。
缶ジュース1本分のインクを垂れ流す姿勢は「鬼」ですねぇ・・・。
情報2
廃インクタンクの交換催促がすぐ表示されるようです。
インクをどれだけ垂れ流すのでしょうか・・・。
まとめ
この原稿は、SC-PX1Vを発売日に購入できないボンビー(僕)のボヤキです。
重箱の隅を突っついているだけの妄想記事なので気分を害さないでくださいね。
とても良いプリンタなのでエプソン商法にイラッとしない人は買っちゃいましょう!
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