Text:ちゃんまさ 記事流用しないでね!
Topaz Video AIは、多機能な上にUIが英語表記なので意味を理解せず直感的に扱うことが難しいソフトウェアです。というわけで自己流の「用途別おすすめ設定」をまとめてみました。
これだ!という設定を見つけ出すことは困難ですが、プレビュー画面で効果を試せばお好みのAIモデルをチョイスできるかもしれませんよ。
Topaz Video AIのおすすめ設定
プリセットを利用せず、マニュアル設定による映像処理をおこなう場合、コントロールサイドバーの【Frame Interpolation 】と【Enhancement】の項目を任意設定する必要があります。
設定画面の英語表記を日本語訳したり、処理内容をまとめてみました。
Frame Interpolationの設定
●29.97fps動画を59.94fpsのヌルヌル動画にしたい
→ 【Apollo】がおすすめ
●23.976fps動画を59.94fpsのヌルヌル動画にしたい
→ 【Chronos】がおすすめ
●29.97・59.94fps動画を1〜8倍スローモーション動画にしたい
→ 【Apollo】がおすすめ
●23.976fps動画をタイムライン29.97fps上で4倍スローモーション動画にしたい
→ 【Chronos】がおすすめ
●23.976・29.97・59.94fps動画を16倍スローモーション動画にしたい
→ 【Aion】がおすすめ
Enhancement AIの選び方
●高感度ノイズを低減したい
→ 【Proteus】 ※低〜中品質映像のプログレッシブに最適
→ 【Nyx】 ※高質映像のプログレッシブに最適
→ 【Artemis 】 ※中〜高品質映像のプログレッシブに最適
→ 【Theia】 ※プログレッシブ映像を完全マニュアル操作したい時に最適
●シャープネスを高めたい
→ 【Proteus 】 ※低〜中品質映像のプログレッシブに最適
→ 【Artemisn】 ※中〜高品質映像のプログレッシブに最適
→ 【Theia 】 ※プログレッシブ映像を全マニュアル操作したい時に最適
●フェイスリカバリーで顔の画像品質を高めたい
→ 【Iris】 ※低〜中画質映像のプログレッシブに最適
→ 【Iris-LQ】 ※低画質映像のインターレースに最適
→ 【Iris-MQ】 ※中画質映像のインターレースに最適
●VHS・DVD映像を高品質化したい
→ 【Dione DV】 ※ハイビジョン以前の映像に最適
→ 【Dione TV】 ※ハイビジョン以前の映像に最適
→ 【Dione Dehalo】 ※色にじみが目立つ映像に最適
→ 【Iris – LQ・MQ】 ※顔を含む映像に最適
●Youtube映像を高品質化したい
→ 【Proteus 】 ※低〜中品質映像のプログレッシブに最適
→ 【Nyx】 ※高質映像のプログレッシブに最適
→ 【Theia – Details / Fidelity】 ※プログレッシブ映像を全マニュアル操作したい時に最適
●アニメ映像(セル画)を高品質化したい
→ 【Gaia】 ※アニメのアップスケールに最適
→ 【Dione TV】 ※ハイビジョン以前の映像に最適
→ 【Dione Dehalo】】 ※色にじみが目立つ映像に最適
●CQアニメ映像を高品質化したい
→ 【Gaia】 ※アニメ向け
Frame Interpolation詳細設定
【Frame Interpolation】は、フレームレートを変更したい時(フレーム補間)に使用するフィルターです。
ApolloとChronosの違いについて解説します。
Apollo・Apollo Fast
Apolloは、8つの補間フレームを生成し、出力フレームを作成します。処理速度は、Chronosより高速に動作します。解像度を重視する場合にApolloは有効です。
使用用途は、収録時のフレームレートの倍数に補間する時に選択します。59.94fpsで収録した映像を29.97fpsのタイムライン上で2倍や4倍などにスロー化したい時に効果的です。
Apollo Fastは、処理速度を優先したい時や23.976fpsで収録した映像を29.97fpsや59.94fpsのタイムラインに補間したい時に最適です。
Apollo Fastは、Apolloと比べて2倍または4倍のフレーム生成において約300~400%高速に処理できます。8倍以上のフレーム生成はApolloを選択します。
Duplicate Frames = 重複フレームを削除し、生成した補間フレームに置き換える。
Sensitivity = 重複フレームを削除するときの感度を調整します。
※感度を高く設定しすぎると、削除する必要がない通常コマを削除する恐れがあります。
Apollo | 品質優先 |
Apollo Fast | 処理速度優先 |
Chronos・Chronos Frames
Chronosは、複雑なフレームレート変換やスローモーションに適した補間モデルです。ChronosとChronos Fastは、TensorRT対応のためNVIDIAマシンでの処理速度が向上します。
使用用途は、8倍以下のスローモーションや複雑なフレームレートへ変換したい時に選択します。倍率が高くなるほど処理時間は比例して長くなります。動きを重視する場合にChronosは有効です。
その際、Duplicate Framesにチェックを入れると、重複フレームを削除し、生成した補間フレームに置き換えられます。
Chronos Fastは、8倍以上のスローモーションを生成したい時に選択します。
Duplicate Frames = 重複フレームを削除し、生成した補間フレームに置き換える。
Sensitivity = 重複フレームを削除するときの感度を調整します。
※感度を高く設定しすぎると、削除する必要がない通常コマを削除する恐れがあります。
Chronos | 品質優先 |
Chronos Fast | 8倍以上のスローモーション生成に特化 |
Aion
重複フレームのない真の16倍スローモーションを実現する補間モデルです。
Enhancement
Enhancementの【Video Type】や【AI MODEL】などの設定項目について解説します。
【Progressive】の詳細設定
プログレッシブ映像の品質改良に使用します。
Video Type
Video Typeは、下記3種類から選択できます。
Interlaced | インターレース(480i、720i、1080iなど)収録された映像のインターレースを除去し、画像品質を高めます。 |
Interlaced Progressive | 誤った方法でインターレース除去された画像を修復しながら、画像品質を高めます。 |
Progressive | プログレッシブ(480p、720p、1080pなど)収録された映像の品質を高めます。 |
【Progressive】で選択できるAIモデル
Progressiveは「480p、720p、1080p」 などで表示されるプログレッシブ映像用のフィルターです。選択可能なAIモデルは下記になります。
Proteus
このAIモデルは、最適な結果を得るためにいくつかのパラメーターを微調整できる汎用性の高いフィルターです。
Auto AIが20フレームの平均に基づいて最適な設定を決定 |
Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Relative to Auto スライダー設定を考慮し AIが最適な設定を決定 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Improve Detail → ディテールを向上 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Manual 完全マニュアル設定 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Improve Detail → ディテールを向上 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Iris
このAIモデルは、低品質から中品質の入力ビデオの「フェイスリカバリー」に関して特別にトレーニングされています。高感度ノイズと圧縮ノイズを軽減するための一般的な強化フィルターです。
映像内に顔が含まれるときに、一番最初に試すAIモデルです。
Low Quality 低品質映像用 |
Auto AIが最適な設定を決定 |
Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する 上げすぎ注意 |
Relative to Auto スライダー設定を考慮し AIが最適な設定を決定 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Improve Detail → ディテールを向上 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する 上げすぎ注意 |
|
Manual 完全マニュアル設定 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Improve Detail → ディテールを向上 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する 上げすぎ注意 |
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Medium Quality 中品質映像用 |
Auto AIが最適な設定を決定 |
Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する 上げすぎ注意 |
Relative to Auto スライダー設定を考慮し AIが最適な設定を決定 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Improve Detail → ディテールを向上 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する 上げすぎ注意 |
|
Manual 完全マニュアル設定 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Improve Detail → ディテールを向上 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する 上げすぎ注意 |
Nyx
このAIモデルは、高品質画像のディテールを維持しながら「高感度ノイズ低減」することを目的にトレーニングされたフィルターです。
個人的に扱いが難しいAIモデルだと思います。とくにReduce Large Grainのパラメーターを高くしすぎると顔が含まれる場合に違和感が生じます。
Auto AIが最適な設定を決定 |
Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Relative to Auto スライダー設定を考慮し AIが最適な設定を決定 |
Reduce Noise → ノイズ低減 Reduce Large Grain → 大きな粒子を低減 上げすぎ注意 Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Manual 完全マニュアル設定 |
Reduce Noise → ノイズ低減 Reduce Large Grain → 大きな粒子を低減 Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Artemis
このAIモデルは、中〜高品質映像を対象に「ディテール向上」や「高感度ノイズ低減」をバランスよく提供します。「ハロー除去」や「画像の荒れの修復」にも効果的なフィルターです。
調整できるパラメーターが少ないので使用頻度は少ないです。
High Quality 高品質映像用 |
Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Medium Quality 中品質映像用 |
Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Low Quality 低品質映像用 |
Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Medium Halo 中程度のハロ映像 |
Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Strong Halo 強度のハロ映像 |
Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Aliasing or Movie 荒れ・モアレ映像 |
Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Gaia
このAIモデルは、高品質映像およびコンピューター映像(CG)の品質向上に効果的なフィルターです。
High Quality 高品質映像用 |
Add Noise → ノイズを追加する |
Computer Generated コンピューター映像用 |
Add Noise → ノイズを追加する |
Theia
このAIモデルは、全映像を対象に、4つのパラメータを使用して「ディテール」や「シャープネス」を細かく制御できるフィルターです。
Fine Tune Fidelity 忠実に調整 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Add Noise → ノイズを追加する |
Fine Tune Detail ディテールを調整 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Add Noise → ノイズを追加する |
【Interlaced】の詳細設定
インターレース収録された映像をプログレッシブ化する時に使用します。
Field Order
インターレースフィールドの順序を選択します。デジタル映像は下優先、アナログ映像は上優先の場合が多いですが、不明なときはオートを選択します。
Auto Detect | フィールド順序を自動検出 |
Top Field First | 上優先 |
Bottom Field First | 下優先 |
【Interlaced】で選択できるAIモデル
Dione DV
このAIモデルは、DV、DVCPRO、DVCAMの720iや1080i で収録された「デジタル映像用」にトレーニングされたフィルターです。
Dione DV | Add Noise → ノイズを追加する |
Dione TV
このAIモデルは、地デジ以前のテレビ・ビデオカメラ・DVD・SD映像の480iや576iなどの「アナログ映像用」にトレーニングされたフィルターです。
Dione TV | Add Noise → ノイズを追加する |
Dione Dehalo
このAIモデルは、「ハロー」と「フリンジ」の除去に特化したフィルターです。VHSビデオに収録した映像の品質向上に効果的です。
Dione Dehalo | Add Noise → ノイズを追加する |
Iris – LQ
このAIモデルは、「低品質映像」の「高感度ノイズ」と「圧縮ノイズ」を軽減するための一般的な強化モデルで「顔復元」に関して特別にトレーニングされたフィルターです。インターレースとプログレッシブの両方に対応します。
Auto AIが最適な設定を決定 |
Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Relative to Auto スライダー設定を考慮し AIが最適な設定を決定 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Improve Detail → ディテールを向上 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Manual 完全マニュアル設定 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Improve Detail → ディテールを向上 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Iris – MQ
このAIモデルは、「中品質映像」の「高感度ノイズ」と「圧縮ノイズ」を軽減するための一般的な強化モデルで、「顔復元」に関して特別にトレーニングされたフィルターです。インターレースとプログレッシブの両方に対応します。
Auto AIが最適な設定を決定 |
Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Relative to Auto スライダー設定を考慮し AIが最適な設定を決定 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Improve Detail → ディテールを向上 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
Manual 完全マニュアル設定 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Improve Detail → ディテールを向上 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する Recover Detail → 細部を修復する |
【Interlaced Progressive】で選択できるAIモデル
インターレース映像を誤った方法でプログレッシブ化した映像の修復に使用します。
Dione Robust
このAIモデルは「480i・576i・720i・1080i」に効果的なフィルターです。
Dione Robust | Add Noise → ノイズを追加する |
Dione Robust Dehalo
このAIモデルは 「ハロー」や「フリンジ」の除去に特化したフィルターです。
Dione Robust Dehalo | Add Noise → ノイズを追加する |
Iris LQ
このAIモデルは「低品質映像」の「高感度ノイズ」と「圧縮ノイズ」を軽減するためのモデルで「顔復元」を特別にトレーニングされたフィルターです。インターレースとプログレッシブの両方で使用できます。
Auto AIが最適な設定を決定 |
Add Noise → ノイズを追加す |
Relative to Auto スライダー設定を考慮し AIが最適な設定を決定 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Improve Detail → ディテールを向上 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する |
Manual 完全マニュアル設定 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Improve Detail → ディテールを向上 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する |
Iris MQ
このAIモデルは「中品質映像」の「高感度ノイズ」と「圧縮ノイズ」を軽減するためのモデルで「顔復元」を特別にトレーニングされたフィルターです。インターレースとプログレッシブの両方で使用できます。
Auto AIが最適な設定を決定 |
Add Noise → ノイズを追加す |
Relative to Auto スライダー設定を考慮し AIが最適な設定を決定 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Improve Detail → ディテールを向上 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する |
Manual 完全マニュアル設定 |
Fix Compression → 圧縮ノイズ・トーンジャブを低減 Improve Detail → ディテールを向上 Sharpen → シャープネスを向上 Reduce Noise → ノイズを低減 Dehalo → レンズ収差を低減 Anti Alias/Deblur → ブラーを低減 Add Noise → ノイズを追加する |
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