キヤノンやニコンのカメラをお使いの方がソニーαへ移行する時、最初に戸惑うのが、複雑なレンズ名称。筆者もニコンからのマウント替えを検討していた時、相当〜悩みました。
1製品に2つの名称が付けられているので「仕様の異なる2本のレンズが存在するの?」と勘違いしていまたからね。おバカさんですね〜〜〜。
とくに初心者の方は混乱するハズ。
というわけで、人気のソニーEマウントレンズ「名称の仕組み」を勉強してみた。
1つのレンズに「2つの呼称」があるのが わかりづらい要因
ソニーEマウントレンズの一例を挙げてみましょう。
「ズームレンズ」の場合の表記方法
「SEL1635GM」と「FE 16-35mm F2.8 GM」の表記を併用。
「単焦点レンズ」の場合の表記方法
「SEL20F18G」と「FE 20mm F1.8 G」の表記を併用。
ソニーは「製品型名」をメインで使用している
ソニーでは「製品型名」をメインに使用しているようです。単焦点レンズは「Eマウントレンズ+焦点距離+開放絞り値+グレード」で構成されているので、商品型名でもおおよそ判別できます。
しかし、です。
ズームレンズの製品型名は「Eマウントレンズ+焦点距離+グレード」を基本に構成されています。
「絞り値」と「フレームサイズ」が不明な点は問題ないのでしょうか。
Aマウントレンズが加わると、さらに煩わしさが増幅されます。
ソニーEマウントレンズ 「製品型名」の基本ルール
「製品型名」の仕組みを紹介します。基本的には①〜④の要素で構成されています。
① 「SEL」 → ソニーEマウントとパワーズームの有無を表記
Eマウント | Eマウントパワーズーム付き | |
記載方法 | 例:SEL | 例:SELP |
② 「600」 → 焦点距離とレンズタイプ
通常 | ズーム | マクロレンズ | テレコン | フィッシュアイ コンバーター |
ウルトラワイド コンバーター |
|
記載方法 | 例:1635 | 例:600 | 例:90M | 例:20TC | 例:057FEC | 例:075UWC |
③ 「F40」 → 開放絞り値
単焦点レンズ | ズームレンズ | |
記載方法 | 例:F40 | 非表示 |
④ 「GM」 → レンズグレード
G MASTER Lens | G Lens | ZRISS Lens | 不明 | 不明 | |
記載方法 | 例:GM | 例:G | 例:Z | 例:LE | 例:F |
問題点
先ほども指摘しましたが、ソニーEマウントレンズは「SEL」と表記されるだけで「35mmフルサイズ対応品」か「APS-Cフォーマット専用品」の判別がつきません。また、ズームレンズは絞り値の記載が欠落していて共通性が図られていません。
ソニーEマウントレンズ 「名称」の基本ルール
「名称」の仕組みを紹介します。基本的にはⒶ〜Ⓗの要素で構成されています。
Ⓐ「Vario-Tessar T*」 → ZRISSレンズの名称を表記
Vario-Tessar | Distagon | Sonnar | Planar | |
記載方法 | 例:Vario-Tessar T* | 例:Distagon T* | 例:Sonnar T* | 例:Planar T* |
※ T*はコーティングを表します。
Ⓑ「FE」 → SONY製レンズ&対応フレームサイズを表記
35mmフルサイズ | APS-Cフォーマット | |
記載方法 | 例:FE | 例:E |
Ⓒ「PZ」 → パワーズーム機能の有無を表記
パワーズーム搭載 | パワーズーム非搭載 | |
記載方法 | 例:PZ | 無表記 |
Ⓓ「Macro」 → マクロレンズを表記
マクロレンズ | 標準的なレンズ | |
記載方法 | 例:Macro | 無表記 |
Ⓔ「100-400mm」 → 焦点距離を表記
単焦点レンズ | ズームレンズ | |
記載方法 | 例:400mm | 例:100-400mm |
Ⓕ「F4.5-5.6」 → 開放絞り値を表記
絞り値固定 | 絞り値固定 | |
記載方法 | 例:F2.8 | 例:F4.5-5.6 |
Ⓖ「GM」 → レンズグレードを表記
G MASTER Lens | G Lens | ZRISS Lens | その他レンズ | |
記載方法 | 例:GM | 例:G | 例:ZA | 無表示 |
※ ZRISS Lensは製品
Ⓗ「OSS」 → レンズ内手ぶれ補正機能の有無を表記
レンズ内手ぶれ補正機能搭載 | レンズ内手ぶれ補正機能搭載 | |
記載方法 | 例:OSS | 無表記 |
まとめ
ソニーαのレンズ表示は、ほんと〜ぉ〜、わかりづらいですよね。
原稿を執筆していても、矛盾点に「おいっ そこちゃうやろ!」と不自由な大阪弁でツッコミたくなります。経営不振のミノルタをソニーが買収した経緯があるので、仕方ないのかも知れませんね。
もうすこし整理していただけると、ユーザーは助かるのですが。