人気の4Kディスプレイは、表示エリアが広くなり、解像度が向上するので、見かけのインパクトが大きいですよね。
しかし、ミラーレス一眼ユーザーのディスプレイで重要な要素は「色が正確に表示できること」ですよね。ちょっと敷居の高いキャリブレーション対応ディスプレイの優位性をまとめましたので紹介します。
カラーキャリブレーション対応モニターは色の正確さが命
ディスプレイの専業メーカーは、写真・映像・デザイン制作向けの製品を販売していますよね。一般的な安価なディスプレイとの違いはいったい何?
答えは「色の正確さ」です。
新品状態は正確な色が表示できますが、2年、3年と使っていくと「モニタの黄ばみ、明るさ、色の偏り」が少なからず生じ、正確な色で表示できなくなります。古い車のナビゲージョンモニターが黄ばんでいるのを見たことないですか?
古いナビゲーションモニターも、最初は綺麗だったんですよね。
劣化の進行が遅いので、気づかないだけなのです。
パソコン用ディスプレイには、明るさやカラーの調整項目がついた機種があります。劣化頻度が少なければ調整できるかもしれません。
しかし、正確な色を知っている上級者の話であり、そもそも初心者ん人は「正確な色ってなに?」ということになります。
問題はシステムが認識する数値と常時画面に誤差が生じること。
たとえばモニターが黄ばんだ場合、色温度を高くなる方向で調整すれば適正な見え方になるかもしれません。しかし、色の狂いを色温度を7000Kに調整して新品状態の6500Kと同じ見え方になったとしても、パソコンは7000Kと認識するので誤差が生じるわけです。
WEB閲覧だけならOKですが・・・
上記の場合、パソコンをWEB閲覧だけにお使いなら問題ありません。
しかし、写真をプリンタ出力すると「正確な色で出力できない」などの不具合が生じます。
そこでキャリブレーション対応モニターの優位性が発揮!
カラーキャリブレーション対応モニターは、出荷段階の色が厳密に調整されています。
また、経年変化で色が狂った時も、人間のカンや経験に頼らず専用の測定器で測定して正常の色に校正します。さらに、校正結果を反映させたディスプレイプロファイルを新規作成するので「正確な表示画面をシステムに正確に認識」できます。
という理屈で、プリントする時、ディスプレイの表示画面と近似した色で印刷できるワケですね。
経年変化による色・輝度の劣化を補正する方法は2種類
ディスプレイの専業メーカーは、写真・映像・デザイン制作向けの製品を販売しています。業務用途に耐えゆる性能を発揮するこれらのディスプレイは「ハードウェアキャリブレーション対応モニタ」と呼ばれます。
もうひとつは、一般的なディスプレイを「ハードウェアキャリブレーションツール」を用いる方法です。
それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
ハードウェアキャリブレーションとは?
ハードウェアキャブレーション対応モニタとは、ディスプレイに校正機能を内蔵した製品を指します。
表示画面を測色機で計測してディスプレイ内部の映像処理エンジンを最適化。「色温度・明るさ・グレーバランス・色域」などを正しい状態に校正し、ディスプレイカラープロファイルを更新します。
校正作業は、内蔵式の測色機で自動計測するものと、社外の測色機を接続して手動計測する2つの方法があります。
ハードウェアキャブレーションは、校正結果をディスプレイ単体で反映できます。
パソコンから出力される映像信号(ビデオカード)にはまったく補正を加えないため、8bit表示なら256階調で表示できます。
価格は高価です。
ソフトウェアキャルブレーションとは?
ソフトウェアキャリブレーションとは、一般的なディスプレイを「測色機とカラープロファイル作成ツール」を用いて校正するタイプを指します。
狂いが生じたディスプレイを、測色機で計測して、調整項目で「輝度・カラーバランス」を手作業で調整します。
狂いが生じたことをカラープロファイルに書き込み、出力される映像は「ビデオカードに補正」をかけて表示されます。
階調については、色温度を5000Kなどに設定すると、青色の情報は本来256階調あるはずが200階調程度まで低下します。その結果、クラデーションに破断が生じることがあります。
価格は安価です。ただし、品質はハードウェアキャリブレーション対応モニターに及びません。
「センサー内属式」を購入すれば一番確実
ハードウェアキャリブレーション対応モニターには、測色機を内蔵した製品が発売されています。EIZOカラーエッジzリージの「CGシリーズ」が該当します。
キャリブレーション作業が「自動化」できるので、設定ミスや計測ミスがおこならないメリットがあります。
測色機は、専用設計されているので「相性問題や色の傾向が異なる」などの問題が生じないメリットがあります。
メーカー
EIZO
日本を代表するディスプレイの専業メーカーです。
一般的なディスプレイから業務用や医療用などの業務用ディスプレイに生産・販売も手がけます。ハードウェアキャブレーション対応ディスプレイは「カラーエッジ」シリーズで展開。
映像制作用・写真制作用・デザイン制作用のディスプレイを販売しています。
BenQ
台湾に本拠地を構えるメーカー。
主要事業は、ディスプレイとプロジェクターです。
映像制作用・写真制作用・デザイン制作用のディスプレイを比較的安価な価格帯で販売しています。
ソフトウェアキャリブレーションツール
ソフトウェアキャリブレーションツールを販売するメーカーは、X-Rite(エックスライト)とdatacolor(データカラー)の2社が代表。
X-Riteは、印刷会社などの現場のスタンダードで、業務用から安価な民生用までラインナップ。datacolorは、安価な民生用を重視したメーカーになります。
Adobe RGB運用時の問題点
アプリケーションがCMSに対応している必要あり
カラーキャリブレーション対応モニターを導入した時、色域をAdobe RGBに設定することができます。
AdobeのPhotoshopやイラストレーターなどのアプリケーションは、カラーマネージメントに対応していますので正確な色を表示できます。
しかし、すべてのアプリケーションがカラーマネージメントに対応していない状況です。Webブラウザは、カラーマネージメントに対応していないアプリがあり、正確な色で表示できません。
カラーマネージメントに対応していないWebブラウザでAdobe RGBに設定すると、ド派手な色で表示されます。初心者の方は「この状態が正確な色」と誤認識されることも多いので要注意です。
また、動画制作を行う人は、動画閲覧アプリの多くがカラーマネージメントに対応してません。正確な色で閲覧できなせんのでご注意ください!
デメリットばかり話をしましたが、カラーマネージメントが正常に動作すれば正しい色で表示されるので心配しないでくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございます
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